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リバーポートソング第二部 第十一話 僕たちは広い公園や河川敷に行き、寝転がって音楽を聴いたり、空をずっと眺めたり、くっつきあってゴロゴロ転げてお互いの心臓の鼓動を聞きあったりした。

【第二部 第十話はここから】 【あらすじと今までのお話一覧】  何が起きたのか分からず暫く駅のホームで起きたことを頭の中で反芻しながら立ち尽くしていた。僕たちの間に、少なくともその時まで恋の煌めきのようなものは多分なかったと思...
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リバーポートソング第二部 第十話 九月だったが、まだ暑く日差しの強い日で、ホーム横の木々の緑が五月のように色濃く見えた。

【第二部 第九話はここから】 【あらすじと今までのお話一覧】  錦から久しぶりに連絡があったのはもうすぐ大学の後期が始まろうとしていた時期だった。新しい曲が何曲か出来たので柳と僕と三人でまた集って形にしてみたいという。というこ...
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リバーポートソング第二部 第九話 自分がコツコツためてきたコレクションは自分のアイデンティティのかなり大きな部分であり、それをコピーされるのは、自分の存在価値をそのまま盗まれるのと同義である気がした

【第二部 第八話はここから】 【あらすじと今までのお話一覧】 「バンドはやったことないけど、ギターは趣味でやってる。佐々木のベースと合わせたことぐらいはあるよ」部屋の隅のスタンドに立てかけられたギターをじっと見ていたら杉元が言...
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リバーポートソング第二部 第八話 僕が持っている嫉妬心やエゴが彼らにもあったら今頃はどうにかなっていたかもしれないと思うとやりきれない時がある。

【第二部 第七話はここから】 【あらすじと今までのお話一覧】  その日はあいにく練習の後、柳も錦もバイトが入っているということで、あまり時間がなく、すぐ解散した。が、次の練習は4日後で、その時には小木戸とやった時の曲もやった。...
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リバーポートソング第二部 第七話 本当はそんな話をするつもりはなかったが、店の照明の暗さが何故かそういう気分にさせていた。

【第二部 第六話はここから】 【あらすじと今までのお話一覧】 最初は前に小木戸とやった時の曲をまたこのメンバーのアレンジでやろうという話だったが、錦はまた何曲か書き溜めており、それもやりたいとの事だった。という事で錦が家で弾き...
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リバーポートソング第二部 第六話 「当たり前」の事を当たり前の様にこなすほど飼い慣らされちゃいないという矜持みたいな物があった。

【第二部 第五話はここから】 【あらすじと今までのお話一覧】  4月。我々は大学2年生になった。いまは見直しが行われて少し遅くなったが、それなりに名の通った企業に入りたいとおもったら、3年の夏休みを過ぎた頃から就職活動を本格的...
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リバーポートソング 第二部 第五話 ガンガン鳴っているはずの音楽がふっと聴こえなくなる感覚があった。彼女の目は心なしか少しうるんでいるようにも見えた。

【第二部 第四話はここから】 【あらすじと今までのお話一覧】 下北沢での中古盤あさりは大した収穫がなかった。前回もそうで、東京中のサブカル好きの若者が集る街だから、良いものが入ってもすぐに売れてしまうのかもしれない。渋谷につい...
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リバーポートソング 第二部 第四話 3月。

【第二部 第三話はここから】 【あらすじと今までのお話一覧】 夜間のバイトを続け、バンド活動もやらず、CDも買っていなかったので、その時までには結構な貯金ができており、僕はギターを新調する事にした。その時家にあった機材はフェン...
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リバーポートソング 第二部 第三話 このアーティストのここが凄いと熱っぽく語る彼らの目は澄んでいた。そしてその瞳の奥にはしっかりとした裏付けがあった。

【第二部 第二話はここから】 【あらすじと今までのお話一覧】 この頃には映画にも飽き始めていたが、だらだらと見る習慣だけは続いていて、何本か実家に置いてあったのを見た。それもめぼしいものがなくなってしまって、近所のTSUTAY...
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リバーポートソング第二部 第二話 僕たちの冬がやっと来たという気がした。

【第二部 第一話はここから】 【あらすじと今までのお話一覧】 そう、その頃僕は音楽面での探究を辞めた代わりに映画を沢山見ていた。一日最低一本は見ていたと思う。手元にこの時期に見た映画のリストがある。 『12人の怒れる男』...
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