リバーポートソング 第三部第九話 内容をまるで覚えていないという事は反省していないのかもしれない。僕の不細工な言葉の羅列で彼女に何か伝わったのかも怪しかったが、その時僕たちは初めて向き合ってきちんと音楽の話をした。

【第三部 第八話はここから】

【あらすじと今までのお話一覧】

 西沢君は一個下で、例の錦とのバンド行脚の沢山の敵を作ってきたその期間、唯一仲良くなったメンバーだった。錦をさそって、しぶしぶ僕を迎え入れたそのバンド、ファーストペンギンズはもう一人のボーカル(僕が入る前はベースも担当していた)がいて、ドラムがいて、そこにいたのがキーボードとギター担当の西沢君で、当時彼は一年生だった。一応共作の形をとっていたが、実質ほとんど西沢君が一人でそのバンドの曲を作っていた。僕と錦が加入したバンドの他の例に漏れず、僕らの加入は機能しなかった。それどころかペンギンズは修復不能になってそのメンバーでライブをやることすらなく解散した。ファーストペンギンズは横浜の高校で同級生同士で結成された。都会でバンドを高校生の時から始められるというのは田舎出身の自分としては非常に羨ましい。高校からの進学にあたってメンバーは錦の大学と、西沢君が通っていた大学に分かれたがバンドは続いていた。だがその絆は鎖となって彼を縛りつけていたのかもしれない。西沢君はペンギンズを辞めたがっていて、自分のバンドをスタートさせるつもりだと僕だけにこぼしていた。錦を誘ったのは西沢君だ。彼はバンドを解散させたくて錦や僕を入れた可能性すらあったんじゃないかと思っている。流石にそれは考えすぎだったとしてもファーストペンギンズの現状に我慢ならなかったから、無理やりにでも変えようとしたのだと思う。僕らが西沢君の説得で加入したとき、他のメンバーは不満を隠さなかった。でも彼らも西沢君に依存していたから強く反対は出来なかった。僕も錦もそのムードを感じ取っていて、毎回スタジオの空気は良くなかった。その中で、ただ西沢君だけが生き生きとしていた。ボーカリストが二人いる中、その役割分担も、バランスも、音の整理もきちんとできていなかったから、結局錦が続けることは出来ないと言い出してバンドを抜け、そのままその勢いでバンドは解散した。ペンギンズに関する僕の記憶は最悪のものだったが、西沢君と僕とは、音楽の趣味が合っていたこともあって楽しい時間を過ごしたし、彼の作っていた曲は、かりものではなく彼のパーソナリティがきちんと表出されていて聴いていて心地良かった。他の誰かに歌わせるよりも彼自身で歌った方がいい曲達だったし、当時から僕も彼にそう勧めていた。なぜ素直に自分で歌い始めなかったのか不思議だった。
 もう西沢君は自分のバンドをスタートさせている可能性も十分あったし、誘っても自分のバンドをやりたいから、というまっとうな理由で断られるかもしれないという懸念はあったが、彼しかいなかったし、彼とやりたかったので祈るような気持ちで約束を取り付けた。
 同時並行で、今後の方向性についてと、新しいメンバーを入れたいと思っている話を柳や南さんにしなくてはならなかった。流石になにも相談せずに西沢君を誘えないし、自分が高岸から相談もなしにバンド内の人事について勝手にきめられて嫌だったから同じことをしたくなかった。しかし、彼らにこれらの事を相談した途端、今の関係が崩れてしまうのではという不安も同時に僕の心を支配していたから、柳と南さんに話をする決心を固められたのは、西沢君に会う直前というギリギリのタイミング、もうここで話さなかったらあとはその機会はないというところまで来てからだった。
 W3の練習の前日、西沢君と会う約束の前々日の夜、話があると直前に連絡して、柳のうちに押しかけた。彼の家に行くのは本当に久しぶりだった。バンド練習やライブで定期的にあっていたものの、気づかないうちにまた僕たちは疎遠になっていた。その会談もすぐに終わった。今の体制も悪くはないが、二人でやっていた時のような柳の持ち味を活かした、フォークロック的な曲もまたやっていきたいことと、その為にバンドに厚みが必要なので、キーボードとギターができるメンバーを入れたい、また、当初二人で計画していたように複数のソングライターとボーカリストの体制を整えたい。僕が誘おうと思っているのはそれらの条件に合致する稀有なやつなんだとそのようなことを話した。黙ってうなずいて聞いていて、その方向性で良いのか回答を求めると一言「いいよ」と言ってまた自分の作業に戻っていった。昔だったら柳が何をしていようが気にせず、たとえ用事が終わっても柳の部屋でだらだらして、たまに喋ったり、気が向いたら一緒に夜の散歩に出かけたりしたものだが、時間が惜しかったし、柳の態度が無関心に見えたから「明日練習だからもう帰る、南さんには明日自分から話す」と言って反応も見ずに部屋を出た。怒るべきだったのかもしれない。いくら柳でもその態度はないだろといういうべきだったのかもしれない。ただその時はもう、気持ちが明日どう南さんと話をするかに向いていた。南さんとつっこんだ話をすることで彼女が辞めてしまうかもしれないという懸念は相変わらずあったし、彼女は得難いプレイヤーだったが、柳と話せてすっきりしたのもあって、やめるならやめるでもう仕方ないかと思えてきた。この時点では南さんとこのような話をすることをもっとも恐れていると思っていたが、いまから考えてみると本当に恐れていたのは柳との正面を切った対話だった様な気がする。柳にはバンドで成功するとかは本当に興味がない、どうでもいいと考えているようなそぶりがあった。それが彼とバンドの方向性に関して対話することで明文化し、僕との思想の違いから軋轢が生じ、下手したらバンド解散になるのでは、という懸念があった。彼は状況に対しては意外と柔軟というか、悪く言うなら流されるタイプでもあったので、バンドが、大きくなったらなったで、それに対して特に抗おうとすることはないと思っていたのもある。活動が順調にすすんだら、目標、将来に関する対話をしなくても状況的に進まざるを得なくなるだろうと知らず知らず期待していたのかもしれない。あらためて話す必要はなく、ずっといわなくても柳とは方向性が一致していると思いたいというのもあった。が、ずっとそのスタンス、話さずとも我々は分かりあっている、を僕が続けていったのは明確に間違いだった。なんらかの対話をしていれば段々と大きくなっていった彼と僕との間の認識のずれは、それほど深刻にならずに済んでいたかもしれないし、打開策や妥協点がみえていたかもしれないし、僕も状況に対してもっと柔軟な対応が出来ていたかもしれない。しかしその時僕はもうすでに柳の家をでて、まだ少し肌寒い四月の夜の風に吹かれながら歩き出し、南さんにどう切り出したものか考え始めていた。
 この時期我々W3は例の最寄りのスタジオではなく、吉祥寺駅から商店街を抜けたところにあるスタジオに通っていた。それは南さんのアクセスを考えてのことだった。最初、電車代もしくはバス代を節約する為に、僕はそこまで自転車で通っていたが、あまりにも時間がかかるので諦めてバスで行くようになった。柳は自転車を持っていないからバスで通っていたので、いつもスタジオ集合だったが柳とは必然的にバスで一緒になることが多く、いたら南さんのことを相談してみようと思ったが、この日はスタジオにぎりぎり間に合うタイミングのバスには柳はいなかったから、南さんのことで悩むのはやめ、持って来ていたCDを聴きながら、車窓からの景色を一時間程眺めてすごした。南さんには、柳に話したのと同じように淡々とメンバーを追加したい理由を話して、これから誘うということを話す予定で、それに対してどう反応するのか様子を伺うというスタンスで行こうとなんとなく思った。つまりなんの作戦らしい作戦もなかった。しかし練習が終わって、柳はさっさと帰り、南さんもスッと帰ろうとしたとき、バンドのことで話があるといって彼女を引き止めたときに、ずっとモヤモヤしている事、彼女はバンドについてどう思っているのか、やはりちゃんと聞かなきゃダメだという気持ちが瞬間的に強くなった。いまから考えてみても、あのような不健全な状態でバンドが続いていたのはどう考えても不思議だった。ほどんど話もせず、南さんのことを知らずに活動だけがずっと続いていた。呼びかけたとき彼女はちょっと助けを求めるような感じで今しがた柳がでていった扉の方を一瞥したが、すぐにこちらに向きなおって静かに僕を見た。商店街の並びにあるチェーン店のコーヒー屋に入り、メンバーを入れたい話を思い切って前のめりで切り出すと、僕の言葉を飲み込むように少し間を置いてから彼女はいった。「それは、決定事項なんですか。私が嫌だといったら、どうするんですか」
 この反応は予想して然るべきだったが予想してなかった。
「勿論決定事項じゃない。けど、そうしたいとは思ってる」そう。それしかないと僕は思っていた。「嫌だといったときのことは正直考えてなかった。ごめん。でもそうなら、とりあえず嫌な理由を聞く」
「しらないところで勝手に決められるのがもう嫌なだけです」これはものすごく僕には堪えた。
「そうだね。だから今回は一回みんなであわせてみてそれからみんなの意見をききたい」それには返事はなかった。なかったからコーヒーを一口飲んで、続けた。「南さんがどう思ってるのか知りたい。バンドについて。この何か月か。南さんが入ってから、全然、まったくバンドでどうなりたいとかどうしたいとか全然話し合ってこなかった。最初の方はただ調子よかったし、噛み合ってたから気にしてなかった。まあ、いまでも噛み合ってると思うし、悪くない、いいバンドだとおもってるけど、上手く行ってるだけに、どうしようとか、どこを目指そうとか、それぞれのバンドに対する要望とか希望とか、全く話してこなかった。ただ、一回目が良くて、その延長線上でやってきて、スタジオでは一応反省とかするけど、いいねとか悪いねとか、そういう確認だけでバンドとしてこれからどうするとかはなにも話してこなかった。上手くは行ってる。上手くはいってるけど自分は正直停滞も感じてる。こんなもんじゃないと、僕は思っている。いいバンドだけど、もっとできると思う。君のドラムと柳の曲があればもっと本当は遠くにいけるはずなんだ。なにか、衝撃みたいなものが欲しい。昔のロックバンドみたいな使命感を掻き立ててくるようなあの輝きが、啓示みたいなものが欲しい、フランシスコ・ザビエルの肖像画って学校で歴史かなんかの授業ででてきたろ。あれみたいな感じで、胸に何かが突き刺さるような感覚が欲しい。そういうものを聴いている人に与えられるような表現が欲しい」ザビエルがなぜ唐突に出て来たのかは分からない。思い出すと恥ずかしいけど同時に笑える。でもその時これを話しながら僕は、柳に向かっても同じことを話すべきだと真面目に思っていた。同時にこの言葉とこの勢いは再現しようと思っても、もう出てこないことも分かった。「それをめざすなら、バンド内でそのビジョンは共有すべきだし、少なくても南さんがバンドについてどう思っているか知りたい。何が理想なのか知りたい。君がどう思っているか僕がわかっていないことを君のせいだとかいいたいわけじゃなくて、本当は僕らが最初に聞くべきだったし、ちゃんと最初のライブが終わった時点で深く話しておけばよかった。どうするのか。けれども特に問題がなかったから、そう思ってるのは自分だけかもしれないけど、なにも話さずにここまできてしまった。君が。どう思ってるのか。知りたい」
 このあと彼女が何を言ったか。正確には覚えていない。彼女の加入についての経緯に関して、辛らつなことを言われたような気がする。僕の性格について鋭いことを言われたような気がする。その鈍い痛みだけはよく覚えている。内容をまるで覚えていないという事は反省していないのかもしれない。僕の不細工な言葉の羅列で彼女に何か伝わったのかも怪しかったが、その時僕たちは初めて向き合ってきちんと音楽の話をした。好きな音楽の話。バンドの方向性。彼女は特にW3が目指すべき方向性とかは考えていなかった。なるようになると思っていたし、なるようになったものがつまらなかったらすぐにやめるといっていた。彼女はバンドにおいて話し合いが必要とかそういうことはあまり考えたことは無かった。本当になるようになっていくとおもっていた。それは半分は正しいと思うが、半分は違うと思うという話を僕はした。柳は実は自由にやらせた方がのびのびいいものができるタイプだと思っていたが、そうでもなく、そこには衝突や軋轢が必要だという例の話もした。最終的には彼女は僕が進みたいと思っている方向性については別に構わないと同意してくれた。ただ、さっきの話同様、自分はつまらなくなったら辞めるとそれだけだった。僕もそれでいいといった。これからはもっと面白くなるはず、とは言わなかった。
 西沢君との会談は町田だった。彼は相模原市にある私大の理系キャンパスに通っていて、大学へのアクセスが良い町田駅から歩いて十五分ぐらいの場所に住んでいた。今その場所を見つけられるだろうか。もう一度行ってみたい気がするがたどり着けない気がする。駅からどっちにあるいていったかも思い出せない。西沢君の実家は確か横浜だったから十分通える距離のはずだったが、その春から彼は一人暮らしの生活を手に入れていた。それが彼の両親との交渉による努力の結果なのか、独り立ちに向けた実家の方針なのかは分からない。西沢君にはバンド勧誘の話は事前にしないで「町田まで遊びに行くからあって話でもしようよ」とか適当に理由をつけた。こんな時でも僕は自分の愉しみを優先して彼との待ち合わせを夕方に設定し、いつもよりも少し早起きをして家を出ると、一時間半近く電車にゆられ、昼前に町田に着くと駅前のレコファン(いまはもうない)でCDを物色し、ちょっと離れた場所にある小規模なディスクユニオンをみて、その近くの有名なラーメン屋でラーメンを食べ、満腹になるとブックオフに行き、時間までそこにいた。町田はあまりにも遠すぎたから、ちょっとした旅行みたいに考えていて、下調べをしていたからこれらがあることは知っていた。
 西沢君はあまり笑わない。かといって特別付き合いや愛想が悪いわけではない。いつも仏頂面をしていることが多かった。ただ彼のメガネと顔立ちのせいもあって、それはあまりネガティブな印象を与えず、難しいことを考えているのか、なんとなく拗ねているように見えた。怒っている様には見えなかった。彼が笑っているのは質の悪い冗談みたいな状況が炸裂したときで、そんな時にみんなは困り顔だが、彼一人はニヤニヤと笑っているのだった。そんな態度を繰り返すものならみんなから嫌われてもおかしくないのだが、これもまた彼のキャラクターのおかげで、正確にはそれは誰かの不幸を喜んでいるのではなく、状況が生み出す喜劇的要素を見つけて面白がっているだけと理解があったから、それは許されていた。そんなわけで彼が十分遅れていつもの仏頂面を引っさげて待ち合わせ場所に登場したとき、僕は彼が不機嫌だとも、怒っているとも思わなかった。「すんません。待ちましたか」あまり反省したようすもなく彼はいった。
「いや、全然」
 駅前の楽器屋二件を特に目的もなく物色し、替えのギター弦とピックを数枚買って、ファミレスに入った。まずはたわいのない話をして場を温める。どのアルバムを聴いたとか、最近のバンドでいいものはあるかとかそんな所。南さんの時と違って、今度は自然に本題に入れた。
「最近バンドはやってる?」
「一応サークルで組んでるのはありますね」彼はちょっと恥ずかしそうに言った。
「そのバンドでライブとかはもうやってるの?」いやな質問だったのかもしれない。彼はちょっとむっとして答えた。
「いや、まだですね。みんなやる気ないんで、基本。ダラダラコピーやって、学内のイベントで適当に出演してる感じです。ぶっちゃけ辞めようかなとおもってます」その様子からは苛立ちが伺えた。そしてその様子はちょっと懐かしかった。が、感傷に浸る間はなく、切り込むなら今だと思った。「じゃあいま僕がやってるバンドに入らないか」
 彼は自分がやっと優位に立ったかのような感じで調子を取り戻していった。「先輩。まえも言ったと思うんすけど俺は自分が作った曲を自分で歌うバンドがしたいんですよ」「うん、それは分かる。僕もそうだ。ただ、基本的にいいバンドの条件はメンバー全員に主体性があるか否かだと思わないか」「それはそうおもいます」「だろ、そしてそんなメンバーを探すのは難しい」「ですね」「僕は自分で曲を作るぐらいの主体性をもったメンバーが欲しいんだ。だから西沢に入ってもらいたい。僕も曲を作って歌うし、メインで今、ボーカルをやっている柳っていう奴なんか凄い曲をつくるんだ。勿論西沢にも自作曲を歌ってほしいと思ってるし、そうじゃなくては困る。やる気のあるメンバーを集めるのって大変だろ? こっちにはなんでもそろってる。足りないのは君だけだ」殺し文句のつもりだった。
「二人も曲書いてたら十分じゃないですか。しかも先輩も歌うんでしょ。もう足りてますって」「いや、まだ何か足りないんだ。バンドとしての厚みもそうだけど、何かがたりない。それが君だと思ってる」
 彼は前のめりになっていた身体をちょっと背もたれに預けた。
「とりあえず一回スタジオにはいってみますよ」
 彼にもプライドがあるからそう簡単に全面的にOKしてくれるとは考えてはいなかったからこの答えはほぼ理想的なものだった。僕の曲はともかく柳の曲と歌を聴けば、感銘を受けざるを得ないと思っていたし、西沢君もドラムにはうるさいから南さんのドラムでかなりやる気になってくれるはずだと思ったから一回スタジオに入って一緒に演奏してみれば上手くいくだろうという確信があった。安心した僕はそれからはもうバンドの話をしなかった。宿題は終わった。あとはテストとその結果を待つだけだ。彼の家にいってCDを物色し、適当にギターを弾き、ゲームを少しやって気が付くと終電がなくなっていた。始発で帰るから泊めてほしいと言ったら仏頂面で「いいすけど」と言ってくれた。二人でコンビニに夜食、アイスとかポテトチップスやらを買いに行き、食べながら彼が持っていたアニメのDVDを見たり、またゲームをやったりして堕落した大学生を体現したような愉しい夜を過ごした。四時ごろにはふたりとも疲れて適当に横になり、朝六時、このままいるのも悪いので無理やり起きた。彼が起きなかったら書置きかメールを入れるつもりだったが、彼も起きてしまって、毛布を被ったままのくぐもった声だけが聞こえた「もういくんすか」「うん」荷物をまとめて玄関にたどり着くと、泊めてくれたお礼を言って「バンドのことよろしくな」と言って家を出た。聞こえていたかはわからない。
 とりあえずその時は駅までの道は覚えていて、くたくたになった身体に、CDと本でパンパンになったリュックの重みを感じながら何とか町田駅までたどり着くと、電車の中で時々睡魔に襲われながら買った本やCDの歌詞カードを眺めて岐路についた。最寄りの駅に着いた時には眠気と疲れがピークに達していた。朝の気持ちのいい日差しのなか、比較的元気な街と対照的な自分は重い足をひきずりながら、町田は遠すぎるから西沢君との活動が軌道にのったとしてももう二度と行かないかもしれない、と思った。

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