連載小説リバーポートソング 第十一話 曲が始まってしばらくすると不思議と周りの雑音が消え、聞こえるのはギターと歌だけになった。 【第十話はここから】【あらすじと今までのお話一覧】 小田原に全員が集まったので早速目的地である伊豆半島の下田方面に向かうことになった。そこにバンド合宿ができるスタジオ付きの宿泊施設があるということだったが、その前に昼飯と観光がてら熱海による... 2020.08.27連載小説
連載小説リバーポートソング 第十話 僕の周りは当時は笑顔であふれていたような気がする。笑っていないのはいつも僕だけだった。 【第九話はここから】【あらすじと今までのお話一覧】 実家の滞在中に特にすることはなかった。昔は夢中になって通っていた地元のCD屋も、東京のCD屋を見た後では色あせてしまっていた。ブックオフや中古屋も覗いてみたが、特に面白いものも見つけられな... 2020.08.13連載小説
連載小説リバーポートソング 第九話 気が付くとそこはサンクトペテルブルクではなく仙台で午後3時過ぎだった。 【第八話はここから】【あらすじと今までのお話一覧】 テストやレポート群も無事終わり、大学生活で初めての夏休みになって、八月になった。その間高岸に何度か学内で会って※①ディスク・ユニオンの話をして今度ディスク・ユニオンの各地の店舗を二人で全制... 2020.08.09連載小説
連載小説リバーポートソング 第八話 彼女は僕にとってはまぶしすぎる存在だった。だからこれ以上彼女と深い交流をしようと言う考えは全く僕の頭にはなかった。 【第七話はこちらから】【あらすじと今までのお話一覧】 次の練習は二週間程空いて八月になってからになった。駅までの道で石崎さんが聞いた。「そういえば二人とも実家帰るの?」 僕の実家は親戚の集まりとかも特に無いため、次の練習が終わったらすぐ帰省... 2020.08.02連載小説
連載小説リバーポートソング 第七話 都心では何もかもがディズニー・ランド方式だ。本当に欲しいものは並ばなければ手に入らない。 【第六話はこちら】【あらすじと今までのお話一覧】 端的に言ってその日の練習は冴えないものだった。エーテルワイズの曲と僕たちのギタープレイは噛み合わず、なんだかちぐはぐだったし、※①高岸の新曲をスタジオでじっくりアレンジしてみるも、しっくりこ... 2020.07.26連載小説
連載小説リバーポートソング 第六話 オーバーサイズのTシャツやパンツ、CARHARTTのニット帽、Timberlandの靴 【第五話はここから】【あらすじと今までのお話一覧】 何にもしないという事がこれ程までに辛い事だとはその時まで考えたことも無かった。看板持ちのバイトはただ座って看板をひたすら支え続けるだけだ。他にやる事も無いしやってもいけない。 僕が担当した... 2020.07.18連載小説
連載小説リバーポートソング 第五話 「ではそろそろ出発します、よろしくお願いします」と無駄に大きな声でリーダー格が営業マンに言って、僕たちは看板とパイプ椅子を持ってぞろぞろと来た道を戻り始めた。 【第四話はここから】【あらすじと今までのお話一覧】 高岸は律儀にも石崎さんのバンド名候補をメモし始めたので、石田さんが慌てて止めていた。石崎さんも「すまん何も思いつかなかった…」といって頭を下げた。気を取り直して石田さんが高岸のメモ帳を取っ... 2020.07.12連載小説
入門【Mr.Children入門】ミスチルおすすめアルバム ミスチルことMr.Children。巨大な人気とセールスを誇る日本を代表するバンドの一つですが、ちゃんと聴いたことがない、という方も多いのではないでしょうか。また1992年からもう30年近く活動してるし、音楽性も結構変化しているので、どんな... 2020.07.07入門
連載小説リバーポートソング 第四話 石田さんはそれを読むと吹き出して「まじめにやれ」と笑いながら石崎さんに軽くチョップした。 【第三話はここから】【あらすじと今までのお話一覧】 打ち上げが終わったのは九時半ごろで、外は雨だった。僕らは間抜けな事に傘を持ってきていなかった。エーテルワイズには機材車があってそれはギタリストのコネによるものらしかった。彼は僕らも送ってく... 2020.07.06連載小説
連載小説リバーポートソング 第三話 僕たちは可能な限りその四文字を頭から追い出して生活していた。 第二話はここから【あらすじと今までのお話一覧】 ライブは休日のお昼のイベントで、対バン形式で僕らの他に五バンドが参加することになっていた。持ち時間は一バンド三十分位。MC含めて大体五、六曲できる計算だ。ということで今形になっている曲は十曲だ... 2020.06.30連載小説