「本当はミュージシャンになりたいが、あきらめて就職すべきか。」
重い話題ですね…。
悩まれているかたはものすごく悩んでいるかとおもいます。
僕自身もかつてそうでした。
すこし自分の話をします。
僕自身も実はミュージシャンになりたくて色々ともがいて何年もずるずると大学に通っていたりしました。
社会人になるのが怖かったというのもありました。
けれど結果的にはもっと早く就職してたら、逆にもっと音楽活動をつづけられてただろうなとおもう今日この頃です。
ということでタイトル「本当はミュージシャンになりたいが、あきらめて就職すべきか」への答えですが、
YESでありNOだと思います。
どういうことかといいますと、
別に就職してもミュージシャンになることをあきらめ無ければいいんじゃないかとおもうんですね。
専業じゃなければなければいけないということは無いと思いますしね。
専業じゃないメリットも今なら十分あるかと思います。
今回はその理由を具体例を交えて、こんな人もいる、こんな例もあると、話してみたいと思います。
そもそも本当にミュージシャンになりたいのか。
前提から話をしてしまいますが、
本当にミュージシャンになりたいのでしょうか?
本当は別の目的があるのに、たまたま音楽が少し出来るからミュージシャンになりたいとはおもっていないでしょうか。
もし「お金を稼ぎたい」「モテたい」というのが目的の場合は、ミュージシャンじゃなくて他の手段を探してみたほうが効率的な気がしますね。
CDがバカ売れしていた90年代ならともかく、音楽産業自体は日本では斜陽産業ですので、上記が本当の目的でミュージシャンを目指すなら効率がめちゃくちゃ悪いと思います。
自分で事業を起こすとか、インスタグラマーやYouTuberを目指すとか、いい会社に勤めたり、モテるために自分を磨いたり、出会いを求めたり。
「お金の稼ぎかた」とか「モテる方法」とかそこら中に落ちています。
ストレートにそちらを目指したほうが早いと思います。まずは本当に音楽をやりたいのか一度真剣に考えてみるのもいいかと思います。
「馬鹿にするな、本気でそう思っている」という方、お待たせしました。
それでは本題に入ります。
1. 実際に働きながら活動を続けている人がいるし、フルタイムで働きつつも活動していたミュージシャンも多い。
「あぶらだこ」というバンドをご存じでしょうか。
1983年結成、パンク、ハードコアや、マスロックなどに分類される音楽性で国内外で高い評価を得ている日本のバンドです。
実はメンバーが皆一般職との兼業でやってるんですね。
そうです働きながらずっと活動をして評価されるってことは可能なんです。
というかイギリスの有名ミュージシャンとかデビュー前に結構昔普通フルタイムで働いていた人いますよ。
たとえば90年代を代表するロックバンド、オアシスのギタリスト、ノエル・ギャラガーなんかはそうですよね。
普通にフルタイムで働きつつ、仕事で怪我をして楽な仕事に移って空いた時間にせっせと曲を書いてたんですね。
その曲を弟がやってたバンドの主導権を握ってそこで披露して大成功したのがオアシスなんです。
80年代の有名なロックバンド、ポリスのベーシストでメインのソングライターとボーカルだったスティングも教師でしたし、エルビス・コステロもフルで働いてて妻子がいた状態でデビューしてますからね。
日本でもケン・イシイは電通でしたし、佐野元春も広告代理店で働いてました。
結構いるんですよ。
「何もかも捨ててコミットしないとデビューできない」とか、「大物になれない」とかは思い込みで、そんなことはないんですよね。
2. 生活が安定しているから好きな音楽性で勝負できるし、機材も比較的自由に買える。
上記に書いてあるとおりですね。
やっぱり生活していかなきゃいけないからある程度お金になる音楽性を目指さないとっていうのはあるし、売れなきゃどうしようもないっていうあせりってハンパないと思います。
クリープハイプに「バイト バイト バイト」っていう曲があるんですけど、売れないでバイトで食いつないでいるバンドのきつさがよく描かれていて実に辛いですね…。
仕事を他にもっていたらそういうあせりもないし、時間さえとれれば好きな音楽を好きに作れるワケです。
それにバイトしながら生活を支えて、その上機材代やスタジオ代を捻出するのは凄く大変です。
その点就職してしまえば生活はとりあえずはこまらないし、節約したら浮いたお金で機材を沢山買えます。
プロになっても実際の経済状況はどうなのか
プロになってもいまは結構生活も大変だと思われます…。
神聖かまってちゃんのベースのちばぎんさんが脱退を表明しましたけど、理由は第二子ができたからということでした。
かまってちゃんといえば結構流行りましたし、名の知れたバンドです。
しかし、彼らほどの知名度を持つバンドでも家族を支えていくにはちょっと厳しいということでしょうか。
売れたら売れたで自由にできない
よく、「あのアーティストは売れてからつまらなくなった」とか、「同じような曲しか作らなくなった」とか「攻めた曲を出さなくなった」という意見を耳にしますが、ある程度は仕方ないことかと思います。
というのは売れたアーティストほど、商業規模やかかわる人、食わしていかなければならないスタッフの人数が多くなり、売り上げを上げる責任がどんどん重くなっていきます。
そうすると確実にある程度このぐらいは稼げるなという範疇の中で活動をせざるを得ません。
ということで、自分の作りたい曲を自由に作るのは実は本業じゃないほうがやりやすかったりするのです。
勿論一流のミュージシャンを雇ってガンガンハイクオリティな音源を作るみたいな機動力はないかもしれませんが、フットワークはむしろ軽いです。
3.技術の進歩により、個人で音楽活動をすることがかなり楽になった。
これは結構大きいと思います。
昔は沢山の人に音楽を届けるには、どこかの事務所に所属したり、レコード会社の力を借りる必要がありました。
しかし今は必ずしも大きな組織の力を頼る必要はありません。
YouTube、インスタグラム、Twitter、
いくらでも自分達の音楽を発信していく便利なサービスがあります。
ホームページやブログだって簡単に作れます。
Spotify、Apple Musicなどの音楽サブスクリプションサービスやデジタル音源販売の契約をすれば、もはやCDを作る必要もないし、在庫を抱えるリスクもありません。
そしてそういう流通方法、テクニックなどのハウツーはネット上にあふれています。
音源の作成もパソコンや場合によってはスマホだけでも作れるようになってしまいました。
すべての楽曲をiPhoneでつくる18歳、スティーヴ・レイシー
メンバーが集まらなくても自分ひとりで音源を作ることも可能です。
メンバーを捜すのもネットの力で楽になりました。
遠くにいるミュージシャンと音源のやり取りをしてセッションしたりすら出来ます。オンラインのレッスンも無数にありますし、技術を学ぶ方法も無限にあります。
これほど自分で音楽を発信するのに恵まれた時代っていままでなかったと思います。
そんなこというけれど、働きながらだと時間はとれなくないか。
とはいいつつも「実際に働いたらがっつりと音楽活動をする時間なんて無いんじゃないか」と思うかもしれません。
もっともな意見です。
どの企業に入るか、どの業界に入るかはきわめて重要だと思います。
音楽活動と並行して働きたいのでしたら、きちんと週二日休みがとれて、平日も家に帰ってきて活動を続けられるような余裕のある仕事であることはマストだと思います。
もし仮に今あなたがフルで働いているけど全く時間がないというのでしたら、働く時間を減らす工夫をしてみてはいかがでしょうか。
幸いにも時代は「ライフワークバランス」を重視する方向に傾いています。
ブラック会社に対する世間の目もどんどん厳しさを増しています。
休みも昔よりとりやすくなりました。
自分の仕事を効率化するのも手ですし、会社の中で休みやすいポジションをとることも重要かと思います。
ときには同僚の誘いや飲み会も、上手く断る必要があるかと思います。
あとは本気で音楽に打ち込みたいのであれば「やらないこと」を決め、無理やりにでも時間を作るべきですね。
たとえば「ソシャゲはやらない」「テレビはみない」など、自分の一日の生活を振り返ってみて無駄にしている時間を削って、音楽活動に力をそそいでみてはいかがでしょうか。
または仕事の構造上、時間が作れない、もうどうしようもない、ということであれば、転職するのも手だと思います。
いまは口コミサイトなどもありますし、ある程度どのぐらい忙しいかの情報も比較的手に入りやすいはずです。
まとめ
以上、思うところを書いてみました。
最終的にはどうするかは当然自分自身の決断、責任によることになるかと思いますが、これを機に色々と検討してみてはいかがでしょうか。
とにかく言いたかったのは仕事についてからでも音楽活動は続けられるし、それで成功している人も沢山いるし、チャンスはある、ということです。
僕の周りにも働きながら楽しんで音楽活動をしている人が沢山います。
僕は疲弊しきって、音楽活動を辞めてしまった人間ですが、そうならないように僕の経験と、もてる知識をここに記してみたので、少しでも参考になりましたら幸いです。