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ブラジル、ドイツ、フランス…非英語圏のオールタイムアルバムベスト30

10位『E2-E4』Manuel Göttschingドイツ

ドイツのサイケデリックロックバンド、アシュラテンペルのギタリスト、マニュエル・ゲッチングのソロで、ミニマル・テクノの傑作。

先ほど紹介したリカルド・ヴィラロボスのアルバム同様、このアルバムもワントラックで一枚なんですよね。

しかもギタリストなのに曲の後半にならないとギターが出てこないんですよ。基本的にシンセとドラムマシーンで組み立てられたミニマルなテクノミュージックで、チェスの試合を模した内容らしいんですけど、なんとなく切実なものがあってよいです。

ダンスミュージックとしても秀逸で、DJ達によってこのアルバムは「発掘」され、再評価されて、数々のフロアを沸かせてきました。

*サブスクなし

9位『Trans-Europe Express』Kraftwerk ドイツ

テクノポップの始祖的な存在であるドイツの電子音楽グループ、クラフトワークの代表作。

やはりテクノを語る上で欠かせない名盤であると思いますし、ヒップホップでもアフリカバンバータが表題曲をサンプリングしてしたということでも有名なアルバムですね。

僕がこのアルバムで一番好きなのは1曲めの「ヨーロッパ・エンドレス」という曲で、この曲の多幸感溢れる感じがとにかく好きなんですよね。

一度ヨーロッパの鉄道に乗ってこの曲を聴いてみたいみたいなと思います。

その他交換ある感じとはまたうって変わって表題曲の方はもうちょっと緊張感があるような曲調になってます。テーマ同じなんですけどね。

その他にもあの「ショールーム・ダミーズ」っていう、マネキン人形が動き出すみたいなちょっとしたホラーストーリーみたいな曲もあったりして、これも面白いです。

マネキンが動いたらこんな感じなんじゃないかっていう、そのカクカクしたリズムとそのポップ性と秘められた暴力性みたいのがいんんですよね。

この3曲だけでも聴く価値のあるアルバムです。名盤です。 

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8位『The City』Vangelis ギリシャ

 映画好きならヴァンゲリスといえば『炎のランナー』とか『ブレードランナー』の音楽を担当していた人という情報がパッと出てくるのではないでしょうか。

この『ザ・シティ』というアルバムはですね、その『ブレードランナー』の音楽に近いものがあると思います。

ジャケットもなんかそういう感じで未来都市を遠くから眺めているみたいな感じなんですよね。

ブレードランナーのサウンドトラックがブレードランナーの世界の様子を中からそのまま描いているとすると、この『ザ・シティ』っていうアルバムはそのブレードランナー的な世界を外から眺めているような、そういうすさんだ近未来都市の都市の穏やかな部分を描き出しているような、そんなちょっと感じさえするアルバムです。

だから『ブレードランナー』のサウンドトラックが好きという方は是非オススメです。

僕なんか一時期結構寝る時にこのアルバムも流してねるって言うのが流行ってたこともあるぐらい心地よいサウンドです。

独特の質感もありますし興味ある方は聞いてほしいと思います。

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7位『Gipsy Kings』Gipsy Kings フランス

フラメンコにダンスやディスコなど近年のポップミュージックの良さを掛け合わせて一世を風靡したフランスのバンドのデビュー作。

日本でも結構当時流行ったみたいでドラマ『鬼平犯課長』のエンディングテーマに「インスピレーション」と言う曲が使われたりまた空耳アワーで有名な曲「バンボレイオ」も含まれていたりします。

そんなわけでフラメンコという伝統音楽の流れを汲んでいるんですけど割と聴きやすいんですよね。

それと同時にやはりなフラメンコでしか味わえないような良さというものを同時に存在していて、非英語圏のアルバムの醍醐味っていうの凄く味わえる1枚だと思います。

なんと言っても、その哀愁を掻き立てるようなサウンドとかその情熱ですよね。それがたまらない一枚です。

フランク・シナトラ「マイ・ウェイ」をカバーしているんですけど、原曲よりもこちらのカバーの方が好きです。

そのカバーバージョンを生で聞いたチャールズ・チャップリンが思わず泣いてしまったみたいなそういうエピソードもあったりします。

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6位『United』Phoenix フランス

フランスのポップロックバンドのデビュー作。

フランスのバンドなんですけど全部英語で歌ってまして、ほとんどアメリカとかイギリスとかの、いわゆる洋楽のくくりで紹介されるようなポップスとあんまり変わりないと言えば変わりないです。

しかしながらもフランスぽさっていうか、やっぱり爽やかさとか垢抜けた感じがずば抜けていると言うか、聞いてて本当に心地いい感じですし、エールでもいったんですけど、BGMとして流しても聴けるしちゃんと聴こうとしても楽しむことができるというような作りになってますね。

これは聴きやすさで行ったら今回紹介するアルバムの中でも、もう一、二を争う作品だと思います。

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5位『Homogenic』Björk アイスランド

そのエモーショナルな歌唱とその時々の最新の流行やテクノロジーをうまく取り入れた音楽性で90年代に一世を風靡したアイスランド出身の歌姫、ビョークの代表作の3作目。

最近では様々な音楽性にトライした2作目の『ポスト』の方が評価は高いですけど、僕はこのアルバムの方が好きですね。

3作目はLFOマーク・ベルをプロデューサーに迎えてるんですけどマーク・ベルっていうのはテクノアーティストでやはりそういう要素はあるんですけど、ビョークのテクノロジーの使い方っていうのは非常に上手くて機械的な感じがあまりしないんですよね。

非常にナチュラルな響きがすると言うかそ自然な質感があると言うか、クラフトワークとか僕が好きなほかのテクノアーティストにも共通してる点なんですけれども。

だから不思議なことに機材とか本当にデジタルのものとかを使っているにも関わらず、彼女の故郷のアイスランドの雄大な自然が浮かび上がってくるようなものすごいサウンドスケープだったりするんですよね。

テクノロジーを使うところとそのアナログ的なサウンドやオーケストラを使うそのバランス感覚もいいんだとは思いますが。

そしてやはりその中心にはビョークのエモーショナルな歌声というものがあって、だからこそ聴き手の心を打つ作品になっているんだなと思います。

雄大な自然の力強さみたいなものとか、彼女の持つエモーショナルな表現のバランスがうまく取れた名作だと思いますね。

この次のアルバムの『ヴェスパタイン』も凄いんでどっちにしようかなと思ったんですけれど、入っている曲が有名な物が多いっていうのと自分が一番聴いたアルバムがやはり本作って言うことからこちらを選びました。 

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4位『Neu! 2』Neu! ドイツ

90年代のテクノアーティストやオルタナティブ・ロックバンドなど、後世に多大な影響をもたらしたドイツの二人組ロックバンド、ノイ!の2作目。

名盤紹介とかなどでは一作目がお勧めとしてあげられることが多いんですが、僕はこの2作目が一番好きです。

ノイ!で一番最初に買ったアルバムということもありますけど、一番テクノぽさがあると言うか、反復するビートが非常に気持ちいいアルバムでもあります。

そして本作の一番の特徴は、同じアルバム中に入っている曲をスピードを極端に早めたり遅くしたりしたものを同じアルバムに収録しちゃってるところですね(笑)。

手抜きだって思われちゃうかもしれないですけども、これがなかなかテープスピード早くしたものも非常にパンクっぽい勢いと暴力性がありますし、遅くしたものに関してもドローンミュージックのような、ほんとそれこそヴェーパーウェーブ的な魅力があります。

言ってしまえば、ただ単に早くしたり遅くしたりしただけなんですけど、そのアイデアは今にすごく通じることところもありますし、そういう先見性でも凄いと思います。

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3位『Loop-Finding-Jazz-Records』Jan Jelinek ドイツ

ドイツ・ベルリン出身のエレクトロ・ミュージシャン、ヤン・イェリネックのセカンドアルバム。

またデジタル機器のエラーで生じる独特のノイズ音、いわゆるグリッチノイズを使ったグリッチミュージックの名盤ですね。

その名の通り古いジャズのレコードからサンプリングした音を素材として使って作り上げたテクノミュージックなんですけれども、どのアルバムからサンプリングしたのか分からないぐらい音が細切れにされているんですよね。

で、その細切れにされた事っていうのが非常に芸術的な配置になっていて、電子音楽ではあるんですけれどもそのサンプリング元がアナログの音だっていうこともあるせいか非常に温かみのあるサウンドになってます。

他では本当に味わえないような独特の質感を持ったテクノミュージックだと思います。 

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2位 『João Gilberto(1973)』João Gilberto ブラジル

ボサノヴァの創始者のひとりである、ジョアン・ジルベルトによる『三月の水』という邦題で知られる名盤 。

セルフタイトルのアルバムが他にも発表されているのでこういう邦題になっています。

ほとんどジョアン・ジルベルトの歌とギターだけのもとにシンプルな構成なんですけれども、無駄を削ぎ落としたシンプルさの極みみたいなところにものすごい魅力を感じますね。

ギターと歌だけのただのグッドミュージック的なボサノヴァみたいな、そういう感じじゃないんですよね。

どうあがいても到達できないような深みと魔力みたいなものを感じる一枚です。

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1位『666』Aphrodite’s child ギリシャ

8位で紹介した、ギリシャのシンセサイザー奏者、ヴァンゲリスが在籍していたロックバンドのラスト作。

プログレッシブ・ロックの名盤としてプログレファンの間ではそれなりに知られている作品だと思います。

60年代のロックミュージックがやっぱりベースになってるんですけど、無限を曲で表した「∞」と言う曲や、悠久のときの流れを表した「Loud Loud Loud」そしてエーゲ海を題材にしたインストナンバー「エーゲ海」などギリシャらしさというかそのスケールのでかさを表現しきったサウンドスケープが魅力的な1枚です。

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