PR

みんなが選ぶ邦楽アルバムベスト100【2020】集計データ編集編(アルバム一枚縛り、Hip Hopランキング、女性アーティストランキング)

みんなが選ぶ邦楽アルバムベスト100の関連記事第三弾です。本記事では集計データを使って色々とランキングに手を入れてみてどうなるか見てみたいと思います。

1アーティストにつきアルバム1枚縛りでベスト100

誰のせいでもないのですが、今回のランキング、人気のアーティストのアルバムが複数枚トップ100にランクインしちゃっているんですよね。例えばくるりサニーデイ・サービスはそれぞれなんと5枚スピッツ電気グルーヴ4枚ゆらゆら帝国YMOミッシェル・ガン・エレファントNUMBER GIRL、は3枚これだけでもう30枚、1/3弱もランキングを占めちゃってるんですよね。2枚ランクインしたアーティストも結構いましたし、特定のアーティストに票が寄ってしまったのは否めないです。僕自身、くるりもサニーデイも好きですが「これはさすがにやりすぎだろ…」と思いました。

ということで、1アーティストにつき、1枚しかランクインできない縛りにしてランキングを再構築してみました。

1位 『空洞です』ゆらゆら帝国
2位 『風街ろまん』はっぴいえんど
3位 『空中キャンプ』フィッシュマンズ
4位 『A LONG VACATION』大滝詠一
5位 『FANTASMA』Cornelius
6位 『LIFE』小沢健二
7位 『無罪モラトリアム』椎名林檎
8位 『DOCTOR HEAD’S WORLD TOWER -ヘッド博士の世界塔- 』フリッパーズ・ギター
9位 『GEAR BLUES』THEE MICHELLE GUN ELEPHANT
10位 『ファンファーレと熱狂』andymori
11位 『金字塔』中村一義
12位 『家庭教師』岡村靖幸
13位 『3』キリンジ
14位 『東京』サニーデイ・サービス
15位 『kocorono』bloodthirsty butchers
16位 『HOSONO HOUSE』細野晴臣
17位 『シングル・マン』RCサクセション
18位 『スリーアウトチェンジ』SUPERCAR
19位 『Obscure Ride』cero
20位 『BGM』イエロー・マジック・オーケストラ
21位 『SAPPUKEI』NUMBER GIRL
22位 『名前をつけてやる』スピッツ
23位 『ひこうき雲』荒井由実
24位 『SONGS』シュガーベイブ
25位 『図鑑』くるり
26位 『平成』折坂悠太
27位 『FOR YOU』山下達郎
28位 『MAKING THE ROAD』Hi-STANDARD
29位 『南蛮渡来』暗黒大陸じゃがたら
30位 『GAME』Perfume
31位 『THE BLUE HEARTS』THE BLUE HEARTS
32位 『C.B.Jim』 BLANKEY JET CITY
33位 『AINOU』中村佳穂
34位 『STILLING, STILL DREAMING』THA BLUE HERB
35位 『ハイファイ新書』相対性理論
36位 『一触即発』四人囃子
37位 『ジャックスの世界』ジャックス
38位 『氷の世界』井上陽水
39位 『TEENAGER』フジファブリック
40位 『A』電気グルーヴ
41位 『Lifetime』GRAPEVINE
42位 『lust』レイ・ハラカミ
43位 『Modal Soul』Nujabes
44位 『君と僕の第三次世界大戦的恋愛革命』銀杏BOYZ
45位 『First Love』宇多田ヒカル
46位 『ライブ』村八分
47位 『SICKS』THE YELLOW MONKEY
48位 『ナマで踊ろう』坂本慎太郎
49位 『とどめをハデにくれ』The ピーズ
50位 『VISITORS』佐野元春 
51位 『黒船』サディスティック・ミカ・バンド
52位 『HELL-SEE』Syrup16g
53位 『球体』三浦大知
54位 『感受性応答セヨ』eastern youth
55位 『ZAZEN BOYS 4』ZAZEN BOYS
56位 『エアにに』長谷川白紙
57位 『ANGELS』THE NOVEMBERS
58位 『メシ喰うな!』INU
59位 『HAPPY BIVOUAC』the Pillows
60位 『POP VIRUS』星野源
61位 『ソルファ』ASIAN KUNG-FU GENERATION
62位 『服部』UNICORN
63位 『BAND WAGON』鈴木茂
64位 『MOTHER』LUNA SEA
65位 『センチメンタル通り』はちみつぱい
66位 『スポーツ』東京事変
67位 『深海』Mr.Children
68位 『MODERN TIMES』PUNPEE
69位 『METAL RESISTANCE』BABYMETAL
70位 『さくらの唄』GOING STERDY
71位 『BLUE BLOOD』X
72位 『告白』チャットモンチー
73位 『TIMERS』THE TIMERS
74位 『祝祭』カネコアヤノ
75位 『Perspective』P-MODEL
76位 『RIOT ON THE GRILL』ELLEGARDEN
77位 『雨に撃たえば…!disc2』七尾旅人
78位 『天国と地獄』カーネーション
79位 『シンシロ』サカナクション
80位 『股旅』奥田民生
81位 『さんだる』たま
82位 『RADIO ONSEN EUTOPIA』やくしまるえつこ
83位 『B-2 Unit』坂本龍一
84位 『カメラ=万年筆』ムーンライダーズ
85位 『Sea and the Darkness』Galileo Galilei
86位 『awakening』佐藤博
87位 『ぶっ生き返す』マキシマム ザ ホルモン
88位 『ほうろう』小坂忠
89位 『ステレオ太陽族』サザンオールスターズ (1981)
90位 『BOOTLEG』米津玄師
91位 『COSMONAUT』BUMP OF CHICKEN
92位 『スーパー アー』ボアダムス
93位 『True』L’Arc~en~Ciel
94位 『うれしくって抱き合うよ』YUKI
95位 『Piercing』小袋成彬
96位 『LOVEBEAT』砂原良徳
97位 『ごはんができたよ』矢野顕子
98位 『エレクトロ・アジール・バップ』ソウル・フラワー・ユニオン
99位 『5th WHEEL 2 the COACH』スチャダラパー
100位 『み空』金延幸子

どうでしょうか。もともとのランキングに比べて大分みんなが納得できるランキングになったのではないかと思います。カバーしているジャンルも広いですし、人気者とアングラなところの配分もいい感じです。2020年っぽい雰囲気もありますし、ほかの邦楽ランキングとあんまり似通ってなくて個性的です。正直こっちのランキングのほうが好きですね(笑)。

Hip Hopランキング

ヒップホップが少なすぎるぞ(というかほぼないぞ)っていう意見は少なからずあって、僕もその点は大いに不満だったんですけれど、票自体はそれなりに来てたんですよね。ということでヒップホップだけを抽出したランキングを作成しました。もちろん21位以下も何枚かあったんですけど票数(点数)があんまりなかったんで、ランキングとして提示するには不向きということでカットしました。

1位 『STILLING, STILL DREAMING』THA BLUE HERB 246点
2位 『Modal Soul』Nujabes 219点
3位 『MODERN TIMES』PUNPEE 139点
4位 『SELL OUR SOUL』THA BLUE HERB 135点
5位 『5th WHEEL 2 the COACH』スチャダラパー 96点
6位 『WHALABOUT』S.L.A.C.K. 82点
7位 『CHANBERS』Steady&Co. 78点
8位 『Viva La Revolution』Dragon Ash 77点
9位 『キミドリ』キミドリ 73点
10位 『David』PSG 63点
11位 『WILD FANCY ALLIANCE』スチャダラパー 58点
12位 『The positive gravity ~案とヒント~』SOUL SCREAM 54点
13位 『magic number』KICK THE CAN CREW 53点
14位 『BLACK SMOKER』THINK TANK 52点
15位 『導 〜みちしるべ〜』漢 50点
16位 『降神』降神 45点
17位 『Metaphorical Music』Nujabes 43点
18位 『Detox』Mom 37点
19位 『Ten Years After』ECD 35点
20位 『スチャダラ外伝』スチャダラパー 35点

どうでしょうか。3位以降がトップ100圏外ということで改めて少ないですね。BUDDHA BRANDが入っていないのは僕が『病める無限のブッダの世界 ― BEST OF THE BEST』をベスト盤扱いにして選外にしたからです…。票自体は結構来てて、そのたびに除外して他のアルバムを選びなおしてもらってました…。

だからブッダが入ってないのは仕方ないとして、KOHH、ライムスター、キングギドラ、SEEDA、ZEEBRA、TOKONA-Xあげればきりがないですけど何で入ってない! 特にギドラとライムスターは歴史的影響力、作品のクオリティを考えるとランク外は…。ライムスターは票自体はそれなりに来てたんですけどね、ギドラは僕一人でした。どういうこと? 

しかしリップスライムとかが入ってなくて『CHANBERS』Steady&Co.が7位だったりするのは面白いですね。

スチャダラパーはやっぱりこの2枚かとか、やっぱり『キミドリ』キミドリは入ってくるな、とかPUNPEE3位なのはうれしかったり…。まあでも、ロックファンとかにも評価されているアーティストが上位に来たなという感じですね。そう考えると6位『WHALABOUT』S.L.A.C.K.のガチ感がすごいですね。

女性アーティストランキング

今回女性アーティストのランクインが少ないという批判が少なからずありました。確かにそうなんですよね。そこで、どう少なかったのか、どのアーティストがトップ100に来てもおかしくなかったのか、来てしかるべきなのか、ということを検証していきたいと思い、女性アーティストだけのベスト50ランキングを作成しました。これは実際のランキングから男性アーティストを排除していって作りました。女性アーティストであるかないかの基準は単純化しすぎかもしれませんが、ボーカリスト基準にしました。少し迷いましたがスーパーカーフルカワ ミキさんのボーカルの曲の割合がアルバムの中で思ったより少ないので除外、シュガー・ベイブ山下達郎・大貫妙子のツインボーカルですが、大貫さんボーカル曲がそれなりにあるので女性アーティストとしてカウントしました。

1位 『無罪モラトリアム』椎名林檎 536点
2位 『ひこうき雲』荒井由実 301点
3位 『SONGS』シュガーベイブ 297点
4位 『MISSLIM』荒井由実 281点
5位 『GAME』Perfume 260点
6位 『AINOU』中村佳穂 248点
7位 『ハイファイ新書』相対性理論 245点
8位 『First Love』宇多田ヒカル 211点
9位 『勝訴ストリップ』椎名林檎 192点
10位 『スポーツ』東京事変 143点
11位 『加爾基 精液 栗の花』椎名林檎 143点
12位 『Fantôme』宇多田ヒカル 142点
13位 『METAL RESISTANCE』BABYMETAL 137点
14位 『シンクロニシティーン』相対性理論 132点
15位 『告白』チャットモンチー 130点
16位 『祝祭』カネコアヤノ 126点
17位 『RADIO ONSEN EUTOPIA』やくしまるえつこ 116点
18位 『初恋』宇多田ヒカル 114点
19位 『シフォン主義 』相対性理論 106点
20位 『生命力』チャットモンチー 102点
21位 『うれしくって抱き合うよ』YUKI 99点
22位 『耳鳴り』チャットモンチー 98点
23位 『Heart Station』宇多田ヒカル 97点
24位 『ごはんができたよ』矢野顕子 96点
25位 『み空』金延幸子 95点
26位 『THE GREATEST HITS』LOVE PSYCHEDELICO 79点
27位 『SUNSHOWER』大貫妙子 78点
28位 『呼吸』Lily Chou-Chou 78点
29位 『DOOPIE TIME』DOOPEES 77点
30位 『DEEP RIVER』宇多田ヒカル 77点
31位 『Junior Sweet』CHARA 76点
32位 『楕円の夢』寺尾紗穂 75点
33位 『POP LIFE』JUDY AND MARY 74点
34位 『GOOD BYEグッドバイ』森田童子 73点
35位 『ロンググッドバイ』きのこ帝国 73点
36位 『燦々』カネコアヤノ 72点
37位 『セシルのブルース』小島麻由美 70点
38位 『川本真琴』川本真琴 68点
39位 『大人』東京事変 68点
40位 『桜の木の下』aiko 65点
41位 『Mr. Noone Special』Cymbals 63点
42位 『満ち汐のロマンス』EGO WRAPPIN` 63点
43位 『couples』pizzicato five 61点
44位 『BLACK -blackにgood luck-』浅川マキ 60点
45位 『玉姫様』戸川純 60点
46位 『BLIND MOON』SAKANA 59点
47位 『好き好き大好き』戸川純 58点
48位 『灯ともし頃』浅川マキ 57点
49位 『MONTAGE』YEN TOWN BAND 57点
50位 『アメトラ』UA 57点

このランキングも結構な偏りになりましたね…。椎名林檎東京事変)、宇多田ヒカルやくしまるえつこ(相対性理論)のこの3アーティストが複数枚をエントリさせて、ランキングの多くを占めています。

特に椎名林檎さんの強さがエグイですね…。女性アーティストランキングのトップ50に東京事変も含めると5枚ランクインしています。

もともとのトップ100に入っているのが9位の『勝訴ストリップ』までですので、そう考えると女性アーティストのランクインは極端に少なかったです。ヒップホップよりはましですけど…。

ユーミン松任谷由美時代のアルバムがランクインしてもよかったのでは、と思いますね。矢野顕子さんは24位 『ごはんができたよ』が最高位ですが、リトル・フィートとも共演した『JAPANESE GIRL』はトップ100に入ってよかったのでは。

それから27位 『SUNSHOWER』大貫妙子と最近の注目度の高さからも本家のトップ100に入ってほしかったですね。戸川純さんというかYAPOOSもランクインしてもおかしくなかったなど。

aikoさんはこのランキングでやっと40位 『桜の木の下』がきてますけど、人気と玄人筋からの評価の高さを考えるとこの順位は低すぎるなと思います。

44位48位浅川マキさんが2枚ランクインしてますが、これらはガチのファンの非常に点数の高い投票によるものでした。あんまり詳しくない僕としては『浅川マキの世界』が最高位だと思ってたんですけど。そして同作もトップ100に入っていてもおかしくなかったのかなと思います。

43位 『couples』pizzicato fiveですけど、本家では299位でショックでしたね。野宮真貴時代のpizzicato fiveが最上位じゃないだけじゃなくて、ピチカート自体が299位って…。野宮真貴さんがボーカルの時のアルバム『女性上位時代』は物凄く完成度の高い一枚ですので、正直本家ランキングのトップ10に入っていても不思議ではないですね。

女性だけの編成のバンドも男性バンドが強かっただけあって不在が目立ちましたね。

このランクですらチャットモンチーぐらいですし、あとZELDA少年ナイフCHAI赤い公園ねごと、などあげればきりがないですけどもっと票があってもよかったと思います。

CHARAUACocco、当時は絶大な人気を支持があったんですけど、トップ100に入らず。

とくにUAなんてあれだけ実験的な内容で10万枚以上を普通に売ってましたから、もっと上位に来てほしかったですね。

まとめ もとのランキングの弱点

さあどうだったでしょうか。データを編集して色々とみたというよりは、もとのランキングの致命的な弱点が浮き彫りになった感じですね。とくに女性アーティストの少なさ、ヒップホップの少なさは大きな弱点だと思います。

ランキングの結果をディスクガイドにしていただくのもいいですが、こういった偏りや弱点があるんだということを念頭に置いていただけると、より幅広く邦楽を楽しんで深堀していけるのでは、と、おもいますね。

タイトルとURLをコピーしました