歌いながら叩く!ドラムボーカルおすすめとその魅力を紹介

今回はドラムボーカル、または、

ドラマーがボーカルをとっている曲の魅力

について語りたいと思います。

バンドでボーカルっていうと一般的には選任ボーカルだったり、ギターボーカルを思い浮かべることが多いかと思います。

次に多いのはキーボード兼ボーカル、ベース兼ボーカルでしょうか。

ということで「ドラムでボーカルってあんまり聞いたことないな」って方が多いのではないでしょうか。

ですが少ないながらもドラムボーカルは存在します。

そして他にはない特有の魅力、ドラムがボーカルであることの利点もあったりするんですね。

今回は具体的にドラムボーカルの例を挙げつつその魅力に迫っていきます。

ドラマーの方はもしかしたら新しいヒントを得られるかもしれません。



ドラムボーカルの大きな魅力

最初に簡単にドラムボーカルの魅力について簡単に二つ挙げたいとおもいます。

①うたごころのあるドラミング

どことなくドラムも歌っている感じがするんですよね。

もちろんボーカル兼任じゃなくてもメロディアスなドラミングをする人は沢山います。

が、ボーカルを兼任してる人の方が、その確率は高くなる気がします。

これはやっぱり曲に対してどれだけ深くかかわっているか、ということがポイントになっている気がします。

いうまでも無く「歌」や「歌詞」の世界に1番密接にかかわっているのはやっぱり、作詞者やボーカリストだと思うんですよね。

どちらか選ぶとするとなると、やはり詩を解釈して思いをこめて歌うボーカリストなんじゃないかと思います。

そのボーカリストがドラムを兼任していたとなると、やはりそのドラミングにもボーカルのときにこめた思いというものが乗っかってくるのではないでしょうか。

「そんなこといってもドラムってメロディの無い楽器だし、詩の思いをのせるのって難しくない?」と思うかもしれません。

しかし考えてみてください。

ドラムって場合によっては曲の雰囲気を1番左右する楽器だったりするのです。

テンポを早くして急性な感じをだしたり。

音数を多くして騒がしくしたり、少なくして静かな雰囲気をだしたり。

是非これから紹介する曲もその観点で聴いてみてください。

②ボーカル兼任の独特なリズム

ギターボーカルの人のギターや歌にはギターボーカルにしかない独特のリズムっていうものがあります。

これは言葉で説明するのは難しいので、ああなんとなくわかるな、っておもってくれるとありがたいのですが(笑)。

ドラムにもおんなじことが言えて、ドラムボーカルのドラミングって、ドラムボーカルにしかない独特のグルーブを感じるんですね。

歌と一体化したドラミングというか、なんというかとても気持ちよくリズムに飲み込まれていく感覚があるのです。

これも言葉で説明してもあまりピンと来ないと思いますので、実際にこの後に紹介する音源を実際に聴いていただいて感じて欲しいです。

それでは実際に紹介していきましょう。

1. ドラムボーカルといったらこの人!

最初にご紹介したいのはカーペンターズ (Carpenters) のボーカル、カレン・カーペンター (Karen  Carpenter) です。

カーペンターズは知らない人はいないぐらいの有名なポップデュオですが、

実はボーカルのカレンはドラマーなのです。

いや、そういっては失礼でカレンは自分のことを「歌うドラマー」として認識していたそうで、歌も歌えるけどミュージシャンとしてはボーカリストというよりはドラマーだとおもっていた節があります。

というには歌が上手すぎですが…。

残念ながら活動の後期になっていくにつれて、アルバムでドラムを披露している曲は減っていってしまいます。

いくつか彼女がドラムを叩いている映像がネット上で確認出来ますが、

本当に楽しそうに叩いていて、ドラムが好きなんだなということが伝わってきてほっこりします。

またカーペンターズはカレンが叩いていない曲でも、凄腕のドラマーがバックを固めていることも多く、ドラマーならある意味必聴のグループといえるでしょう。

今回はそんなカーペンターズの代表曲、「イエスタディ・ワンス・モア」(Yesterday Once More) を紹介したいと思います。


彼らの曲のなかで一番有名といっても過言ではないこの曲のドラムもカレンが叩いています。

この曲が名曲であることはいうまでもないし、歌も極上なんですけど、そのドラミングに注目して聴いてみてください。

曲の展開に合わせて実に決め細やかにメロディアスにドラムフレーズを繰り出しています。

こういうスローテンポのバラード曲って結構単調で工夫の無いドラミングになりがちですが、カレンのドラミングは全く違いますね。

アレンジの勉強にもなるのではないでしょうか。

2. モンスターバンドのメインボーカリストにしてドラマー

クラシックロックファンの方は、ドラムボーカルと聞いて真っ先にこの人が出てくるのではないでしょうか。

続いてご紹介したいのはアメリカのロックバンド、イーグルス (The Eagles) のドラマー兼、メインボーカリストのドン・ヘンリー (Don Henley) です。

メインと書いたのはイーグルスは他にもボーカルをとるメンバーが複数いて、ほぼ全員歌が歌えるからです。

ドン・ヘンリーはソロ活動でも大成功していて、「ボーイズ・オブ・サマー」(The Boys of Summer) などのヒット曲も放っています。

イーグルスといえば「ホテル・カリフォルニア」や「デスペラード」が有名かと思いますが、今回紹介したいのは「呪われた夜」(One of These Nights) です。

ドン・ヘンリーのボーカリストとしての魅力と曲を引っ張るグルーヴィーかつメロディアスなドラミングを楽しめることができる極上のロックナンバーになっています。

タムがスネアと一緒に「ドンっ」ってはいったり、ハイハットのリズムパターンが気持ち良かったり、曲を引っ張っているだけでなく、ドラムだけ聴いていても気持ちいいんですよね。

ボーカル兼任ならではの歌ごころのあるドラミングというものがよくわかっていただける演奏かと思います。

ただ単にリズムをとるだけでなくこうやってドラムを「歌わせる」んだなと非常に勉強になる曲です。

もちろんイーグルスの他の曲も必聴です。



3. 「世界一有名なバンド」のドラムボーカル

次にご紹介するのは解散した今でも世界一有名なバンド、そうビートルズ (The Beatles) のドラマー、リンゴ・スター (Ringo Star) です。

すでに解散してから半世紀が経とうとしていますが、いまだにビートルズは聴き続けられていますし、その影響力は衰えるどころかむしろ増している感じすらあります。

そんなビートルズのドラムを担当していたのがリンゴ・スターなわけですが、

「あれ、ビートルズのメインボーカルって、ジョン・レノンやポール・マッカトニー、時々ジョージなんじゃないの?」

と思う方もいるかとおもいます。

その通りなのですが、リンゴ・スターも実は結構ボーカルを担当している曲があり、ドラムボーカリストとしてカウントしても差し支えないとおもいます。

有名どころでは「イエロー・サブマリン」「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンド」などでしょうか。

デビューアルバムの『プリーズ・プリーズ・ミー』からすでに「ボーイズ」という曲でもボーカルを担当しています。

今回紹介したいのはリンゴ自身が作曲し、ボーカルを務める「オクトパス・ガーデン」(Octpas’s Garden) です。

「タコの園」とでも訳しましょうか。

海のそこにある「タコの園」での生活を歌ったユーモラスでファンタジックな曲です。

考えてみれば変な歌詞の曲ですよね。

ある意味前述した「イエロー・サブマリン」の続編的な歌です。

ジョージが作曲を手伝ったらしく、思い入れもあるのかジョージのギターもいい仕事をしています。

ユーモアとカッコよさを兼ね備えたような、ギターのイントロやソロがたまらないですね。

さて肝心のドラミングですが、本人の歌声や歌い方にぴったりのゆるーいグルーヴが特徴てきですね。

実際リンゴの独特のグルーヴってちょっとまねできない個性的なものでして、きっちりカッチリ叩くことが偉いという考えとは全く違うドラミングスタイルなんですね。

ビートルズが世界中で愛されている秘密の一つは間違いなくリンゴの独特のドラミングによるところがあるとおもいますね。

4. 日本のドラムボーカリスト

なにもドラムボーカリストは洋楽だけの専売特許ではございません。

ここでは日本のドラムボーカリスト高橋幸宏を紹介したいとおもいます。

高橋幸宏はサディスティック・ミカ・バンド、YMO、そして現在はMETAFIVE、数多くのソロ作品を残し、スタジオミュージシャンとしても多くのアーティストのサポートを行ってきた日本を代表するドラマーの一人です。

これだけでも凄いことですが、YMOではメインのボーカリストとしても活躍されてました。

現在も活躍する豪華な面子がそろったスーパーバンド、METAFIVEでもボーカルをとっています。

ソロ作品でも当然メインで歌います。

今回紹介したいのはYMO時代の曲「以心電信 (You’ve Got to Help Yourself)」。

先ほどのリンゴのドラミングとは対照的にタイトなドラムが気持ちいいナンバーですね。

作曲は坂本龍一と高橋幸宏、作詞はピーターバラカンと細野晴臣が担当した、いつでもフレッシュで爽やかな気分にしてくれるステキなナンバーです。

You’ve Got to Help Yourselfというのは「君は自分自身を助けなくちゃ」というような意味で、それが結果的に他人を助けることになるんだよ、というメッセージが込められています。



5. ドラムボーカル最強のヒットメーカー

1984年「イージー・ラヴァー」(Easy Lover)全英1位全米2位。

1988年「恋はごきげん」(A Groovy Kind of Love)全英1位全米1位。

1989年「アナザー・デイ・イン・パラダイス」(Another Day In Paradise) 全英2位全米1位、その他ヒット曲多数…。

ドラマー兼ボーカリストで単独でヒットを1番飛ばしたのはこの人かもしれません。

次にご紹介したいのはフィル・コリンズ (Phil Collins) です。

フィル・コリンズはもともとはジェネシス (Genesis) というイギリスのプログレッシブバンドでドラマーとして活躍していましたが、ボーカルのピーター・ガブリエルが脱退したため、代わりにボーカルを務め始め、そのドラムボーカルとしてのキャリアをスタートさせました。

独特の音の処理を施したドラムサウンドが特徴で、聞けば一発でフィル・コリンズだと認識可能です。

今回紹介したいのがソロデビューシングル「夜の囁き」(In the Air Tonight) 。


フィル・コリンズの特徴的なドラムサウンドと歌が堪能できます。

このドラムのサウンドを前面に押し出し、他の楽器の要素を押さえたアレンジはまさにドラマーならではのものだと思います。

あまりにヒットを飛ばしていたのと、その特徴的過ぎるサウンドのせいで、一時期「フィル・コリンズはダサい」という空気がありました。

しかしながら近年はヒップ・ホップの若いアーティストなどにもサンプリングされたり、リスペクトを表明されたりで、再評価の機運が高まっています。

是非そのサウンドにおぼれてみてください。

6. メインボーカルではないけれど…

ここではちょっと志向を変えてメインのボーカルはあまりとらないけれど、コーラスなら結構とるよというドラマーを紹介したいと思います。

レニ (Alan “Reni” John Wren)
ストーン・ローゼズ (The Stone Roses) は80年代の終わりから90年代前半をメインで活躍した、イギリス、マンチェスター出身の伝説的なロックバンドです。

レニはそんなローゼズのドラマーで、ドラマーとしての評価も高い人物です。

メインのボーカリストはイアン・ブラウンですが、その楽曲でレニのコーラスは曲に厚みや広がりを持たせる非常に重要な役割を負っています。

今回ご紹介したいのは「ウォーターフォール」(Waterfall) という楽曲で、レニの卓越したグルーヴィーでメロディアスなドラミングと、楽曲に広がりをもたらすコーラスワークが同時に楽しめるローゼズの代表曲です。


このドラムの「ストン」と落ちる感じとドリーミーな分厚いコーラスの歌が気持ちよくてクセになる名曲です。

ロジャー・テイラー (Roger Taylor)
続いてご紹介したいのが言わずとしれたイギリスを代表していたロックバンド、クイーン (Queen) のドラマー、ロジャー・テイラーです。

クイーンは分厚くゴージャスなコーラスで有名なバンドですが、その一角を担っているのがロジャー・テイラーです。

彼はコーラスのみならず、作曲でも活躍し、「レディオ・ガ・ガ」「カインド・オブ・マジック」などの彼らの後期のヒット曲を作曲しました。

また車ソング特集でも取り上げましたが、「アイム・イン・ラブ・ウィズ・マイ・カー」という曲ではボーカルもとります。

今回紹介したいのは彼らの一番の代表曲「ボヘミアン・ラプソディー」です。


ロジャーのドラミングが一番堪能できる曲、というわけではありませんが、クイーンのコーラスワークの凄さに圧倒される一曲ではあります。

3分ごろからの展開にご注目ください。



7. No1ドラムボーカリスト

さあ、いよいよ最後のドラムボーカリストとなりました。

僕が一番好きなドラムボーカリストであり、ドラムボーカルの魅力を最大限に伝えてくれるドラマー、それがザ・バンド (The Band) のリヴォン・ヘルム (Levon Helm) です。

ザ・バンドは4人のカナダ人と一人のアメリカ人リヴォン・ヘルムによってからなるグループで、デビュー前にホークスという名前でボブ・ディランのバックを務めたことでも有名です。

さて肝心のリヴォン・ヘルムのドラミングですが、ボーカルと一体化した独特もったりとした粘っこいリズムが最高なんですよ。

一度この気持ちよさを味わってしまったらもう病みつきになること間違いなしでしょう。

今回紹介したいのは「アップ・オン・クリプル・クリーク」(Up On Cripple Creek)という彼らのセカンドアルバムに収められている曲です。

リヴォン・ヘルムのドラム汁(なんだそりゃ)がにじみ出た名演でして、体が思わず動いてしまいます。

かめばかむほど味がするするめ的名曲でございます。



まとめ

いかがでしたでしょうか。

ドラムボーカルの素晴らしい世界を少しでも感じていただけたなら幸いです。

もしあなたがドラマーでまだ歌いながらドラムを叩いたことがないのでしたら、ぜひともチャレンジしてみることをお勧めいたします。きっとドラミングに変化が起きるはずです。

ではそこまでドラムボーカルが魅力的ならどうしてドラムボーカルは少ないのでしょうか。

少しおまけに考察してみたいと思います。

どうしてドラムボーカルが少ないか

やっぱり歌は、歌だけだったり、歌をサポートしてくれるコードを鳴らしてくれるような楽器を弾きながらのほうが楽です。

というわけで楽器を弾きながら歌う人はコードを鳴らしやすくてかつポピュラーなギターが多いのです。

次いでコードを弾きやすいキーボード、コード感は出しにくいがコードの根幹をなすルート音を担当することが多いベースなどがボーカルをとります。

それらの楽器に比べるとドラムはリズムは取りやすいですが、音程をサポートしてくれる楽器ではありませんので、一人で練習がしにくかったり、ドラムの音に阻まれて音程を取りにくかったりとハードルが一段高い気がします。

また曲の作曲者=ボーカルというパターンも多いので、どうしても作曲のしやすいパートにボーカリストが集中しがちなのも仕方のない話です。

今回取り上げたドラムボーカリストで作曲もする人たちは、みんな他の楽器、ギターやピアノなどを弾けたりもします。

ハードルが高い分、人数は限られていますが、それを超えるとただのドラマーやボーカリストにはない世界が広がっているようなきがしますね。

この機会を機に、ドラムに注目して音楽を聴いてみたり、ドラマーの方ならボーカルや他の楽器に挑戦してくださるとうれしいです。

(文中敬称略)

ドラムといえば以前取り上げたスティーリー・ダンの『彩(エイジャ)』というアルバムがドラマー必聴作ですので、興味のある方は是非この記事を読んでみてください。

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