ワウ・ペダルを使った名曲、名演

今回はワウ・ペダルを使った名曲、名演を取り上げたいと思います。

ワウというのはギターの音色を変化させるエフェクターの一種で、他のエフェクターと違って、足でその変化のかけ具合を操作できるというなかなか面白いペダルです。

ワウワウとかいったりもします。

さてどんな効果があるのかですが、実際に動画を見てもらったほうがはやいですね。

Ibanez WH10V3 Wah pedal featuring Tom Quayle

丁度こんな感じで足でペダルを踏み込む動きに併せて音色が変化します。

ペダルを踏むことで音の周波数が変化して、こもったような音になったり高音が強調されたりするんですね。

特定の周波数帯を絞ったり、強調したりすることで音色が変化するということです。

通常は曲のリズムにあわせてペダルを動かし続けることが多く、そのことでうねってるようなフレーズやまるで人がしゃべっているような効果を生み出すことができるエフェクターなんです。

ということで今回は定番から変わり種まで、リフやイントロ、バッキング、ソロ、と様々なシーンで使わているワウペダルの名曲、名演を紹介して、その魅力、効果について迫っていきます。

リフ・イントロ

このセクションでは曲の最初、イントロやギターリフでワウペダルが使われている名曲を取り上げます。

「ヴードゥー・チャイルド (スライト・リターン)」ジミ・ヘンドリックス “Voodoo Chile  (Slight Return)” Jimi Hendrix 1968年

ギタリスト:ジミ・ヘンドリックス

Voodoo Chile (Slight Return)

若くして亡くなってしまった伝説のギタリストの代表曲。

一番有名なワウソングといっていいんじゃないですかね。ワウを使った曲と聞いて多くの人がぱっと思い浮かぶのはこれかもしれません。

イントロからワウ全開のギターリフを弾いています。

ちなみにこれワウの効果をかけずに弾いてみたらこんなに不穏な雰囲気はでないですね。

「ブルズ・オン・パレード」レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン “Bulls On Parade” Rage Against The Machine 1996年

ギタリスト:トム・モレロ

Rage Against The Machine – Bulls On Parade (Official Music Video)

ヒップホップとメタル、ハードロックの要素を融合させたサウンドで90年代に一世を風靡したバンド、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのセカンドアルバムからの一曲。

動画だと0:26あたりからのギターリフでワウが使われています。

ブラッシングといって弦を抑えずにただ手を添えてミュートした状態で弾く奏法があるのですが、それにワウをかけてるのが面白いですね。

トム・モレロはワウに限らず、エフェクターを駆使して独特のサウンドを生み出すことに長けたギタリストでして、ワウというよりもデジテックワーミーという商品を使って生み出すぶっ飛んだサウンドが有名です。

この曲のソロでもターンテーブルのスクラッチノイズみたいなことをギターでやっています。

トリッキーなサウンドをギターで出してみたいという方は是非トム・モレロのプレイを研究してみてください。

ギターソロ

このセクションではギターソロにワウペダルをつかった曲を取り上げていきます。

冒頭で述べた通り、ワウって人がしゃべっているような効果やうねりを生み出す効果があったりして、使用することでギターソロの表現の幅を広げたり、さらにドラマチックにしたりできるんですね。

そんな代表例を見ていきます。

「ホワイト・ルーム」クリーム “White Room” Cream 1968年

ギタリスト:エリック・クラプトン

White Room

クリームエリック・クラプトンが在籍していた60年代を代表する3ピースロックバンド。

この曲はイントロが演歌っぽくて面白い曲ですね。

2番から歌と歌の間にギターの合いの手が入ってきてそれにガッツりとワウペダルがかましてあります。

アウトロでギターソロが聴けますがワウ全開のギターソロで非常にかっこいいです。

クリームは名うてのプレイヤーがそろっていることもあり、それぞれのパートの主張が激しいんです。

この曲はベースのジャック・ブルースが作曲して彼が歌っているんですけど、それに負けじとジンジャー・ベイカーのドタバタしたドラミングが派手になっていますし、クラプトンのギターはワウでがなり立ててますし、各パートがばちばちにやりあっている感じが実にスリリングな名曲ですね。

ワウによる装飾がなかったらもっとギターが地味に聞こえていたかもしれません。

「長い夜」シカゴ ”25 or 6 to 4” Chicago 1970年

ギタリスト:テリー・キャス

Chicago – 25 or 6 to 4 (Official Audio)

ホーンセクションを大胆にフィーチャーし、ブラスロックというジャンルを開拓したアメリカのロックバンド、シカゴの代表曲。

この曲でもブラスセクションの合いの手が非常にカッコいいです。

ギターリフも有名で、グリーン・デイ「ブレイン・シチュー」という曲で拝借していましたね。

さて肝心のワウですが、ギターソロの後半で使われています(2:49ごろから)。

長尺のギターソロなんですけど、展開が非常にスリリングでずっと緊張感のあるかなりの名演で、僕自身ギターソロの中でベスト10に入るぐらい好きです。

ワウはそのクライマックス、最後の部分で使われていて、これ以上どう盛り上げるんだというところでここぞとばかりに使われていて非常に興奮しますね。

ジミヘンの「ヴードゥー・チャイルド (スライト・リターン)」もそうですけどワウがもたらす不穏さみたいなものが上手く機能した名演だと思います。

タイトルの「25 or 6 to 4」というのは「4時25分か26分前」という意味です。このままだと意味がわかりにくいので邦題を「長い夜」にしたんでしょうね。

「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」ガンズ・アンド・ローゼズ “Sweet Child O’ Mine” Guns N’ Roses 1987年

ギタリスト:スラッシュ

Guns N' Roses – Sweet Child O' Mine (Official Music Video)

80年代後半、停滞していたロックに再びスキャンダラスなイメージと激しいサウンドを持ち込んで一世を風靡したハードロックバンド、ガンズ・アンド・ローゼズ

「スウィート・チャイルド・オブ・マイン」はそんな彼らのロックバラードの名曲です。

この曲はイントロのギターリフでも有名ですね。

ワウは後半部分への導入となるギターソロ部分から聴けます。

この曲前半は突き抜けるような爽快感があるバラードなんですけど、このギターソロ部分から曲調がダークなものになっていくんですよね。

このギターソロは苦悩を感じさせるようなエモーショナルでうねっているフレージングなんですけど、ワウはその表現力を高めるうえで非常に重要な役割を果たしているんです。

そしてソロが終わったあとも歌の間に絡んでくるギターフレーズにはワウがかけられています。

この曲の一番素晴らしいところは美しい前半部とダークで激しい後半部がうまく調和して一つの曲として提示されているところだと思うのですが、まさに後半部のダークな曲調の雰囲気を高めるアクセントの一つとしてワウが効果的に使われているんです。

バッキング

ワウの醍醐味といえばバッキング(リズム・ギター)といってもいいかもしれません。

ワウは特にファンクの世界ではかなり多用されて、重要な役割を負ってきたエフェクターでもあります。

というわけで、ある程度のコツは必要ですが、使うだけで結構ファンキーに聞こえるので、ファンキーでリズミカルなサウンドに欠かせないエフェクターといっても過言ではないですね。

「シャフトのテーマ」アイザック・ヘイズ “Theme From Shaft” Issac Hayes 1971年

ギタリスト:チャールズ・ピッツ

Theme From Shaft

60年代から活躍していた、R&B、ファンクの大御所、アイザック・ヘイズの大ヒットナンバー。映画『シャフト』のテーマソングとして彼自身により作詞作曲されました。

TVなどでもよく使われているので聴いたことある人も多いかもしれません。

ワウをかましたギターサウンドが終始鳴っていて、ほぼ主役と言っていいような存在感を放っています。

カッコいいワウバッキングサウンドのお手本みたいな曲ですね。

これぞファンクのワウギターといえる、教科書的な名演だと思います。

「エレファント・ストーン」ザ・ストーン・ローゼズ “Elephant Stone” The Stone Roses 1988年

ギタリスト:ジョン・スクワイア

The Stone Roses – Elephant Stone (Audio)

その後のイギリスのバンドシーンに大きな影響を与えたイギリス、マンチェスター出身の4人組ロックバンドのデビューアルバムの前に発表されたシングル曲。

ニュー・オーダーのベーシスト、ピーター・フックのプロデュースで発表されました。

キラキラとしたギターサウンドとうっとりするような美しいメロディとコーラスワークに包まれた名曲ですが、そんな曲の浮遊感とダンサブルなリズム隊にマッチしたワウバッキングです。

ローゼズは世間で認知されているよりもずっとソウルR&Bヒップホップなどの影響が強いグループで、彼らのグルーヴを重視した曲調もそこから来ています。

もしからした、このワウの起用もそういったブラックミュージックへの嗜好から来ているのかもしれません。

「ファミリー・アフェア」スライ&ザ・ファミリーストーン “Family Affair” Sly & The Family Stone 1971年

ギタリスト:ボビー・ウーマック

Sly & The Family Stone – Family Affair (Official Audio)

ボーカル・キーボードのスライ・ストーンを中心に結成された、ファンクバンドの代表曲。

この曲のイントロはCharaだったりピチカート・ファイヴだったりにサンプリングされてるのでもしかして知らないうちに聞いたことがある人もいるかもしれません。

基本的にギターは控えめに輪郭がはっきりしないままずっとバックでワウをかけられてうねっていて、曲の全体を包み込んで曲に浮遊感をもたらしています。

ときたま歌と歌の間で鋭いフレージングを聞かせたりもしていて、曲の雰囲気をある意味支配しているような所さえある名演だと思いますね。

さて、ギターを担当したボビー・ウーマックですが、実はスライ&ザ・ファミリーストーンのメンバーではなく、ソロで、シンガーソングライター、ギタリストとしてソウルやファンクの分野で大活躍していますので、気になったかたはチェックしてみてください。

まとめ ワウの名機

ということでワウをつかった名演を特集していきました。

どの曲もワウがちゃんと曲のアクセントになっており、欠かせない存在感を放っていますね。

バッキングで使われる時はギターのリズムに躍動感をもたらし、ソロやリフなどのフレージングに使われるときは、フレーズにより感情をこめることができる、ということがわかっていただけたかと思います。

それでは最後に有名なワウペダル、おすすめなワウペダルを紹介したいと思います。

ダンロップ クライ・ベイビー

ワウといったらコレというぐらいの名機がダンロップ社のワウペダル、クライ・ベイビーです。

ワウの効果が赤ちゃんが泣いているように聞こえることからその名前がつけられました。

数々の有名ミュージシャン達が使ってきたことで有名です。

ところがこのクライ・ベイビーという名前はもともと後々紹介するVOX社が使っていた名前で、ダンロップ社が先に商標をとっちゃったんですね。

VOXワウ

ビートルズが使用していたアンプで有名なVOX社ですが、ワウでも有名でしてダンロップ同様最初期からワウを生産していました。

というか一番最初にワウを量産したのがVOX社なんですね。

VOXワウはジミ・ヘンドリックスが使用していたことでも有名です。

アイバニーズ WH10

アイバニーズといえばエレキギターメーカーとして有名ですが、実はチューブ・スクリーマーのような有名なエフェクターとかも作っていて、WH10もワウペダルの名機として知られています。

WH10はレッド・ホット・チリ・ペッパーズジョン・フルシアンテがずっと愛用してきたことで知られているペダルでもあります。

ギター用、ベース用に変化する周波数帯をかえるスイッチがあるのが特徴で、あえてベース用のモードにしてギターを弾いているギタリストもいます。

現在はWH10の後継機種であるWH10V3が入手可能の様です。

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