連載小説

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リバーポートソング 第十話 「ではそろそろ出発します、よろしくお願いします」と無駄に大きな声でリーダー格が営業マンに言って、僕たちは看板とパイプ椅子を持ってぞろぞろと来た道を戻り始めた。

【第九話はここから】 【あらすじと今までのお話一覧】  その日の現場である横浜線の駅には朝9時集合だった。今はコンプライアンスの関係などでそうではないと思うのだが(そう、信じたい)、モデルルームの看板持ちのバイトは、どんなに暑...
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リバーポートソング 第九話 何かを一つ選ばなくてはならない場面で、ひとつだけフォーマットが違うものがあると、それがアリかナシかを議論してもらえるから有利である

【第八話はここから】 【あらすじと今までのお話一覧】 高岸は律儀にも石崎さんのバンド名候補をメモし始めたので、石田さんが慌てて止めていた。石崎さんも「すまん何も思いつかなかった…」といって頭を下げた。気を取り直して石田さんが高...
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リバーポートソング 第八話 石田さんはそれを読むと吹き出して「まじめにやれ」と笑いながら石崎さんに軽くチョップした。

【第七話はここから】 【あらすじと今までのお話一覧】 スタジオで1番最初にセッティングが終わるのが多分ドラマーだ。自前の※①ドラムセット持参なら1番時間がかかるが、大抵はペダルとスネアドラムとスティックしか持ち込まない人が多い...
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リバーポートソング 第七話 「お前はミュージシャンに似てる店主がいる店をオレに紹介するのが趣味なのか」と言って僕は笑った。

【第六話はここから】 【あらすじと今までのお話一覧】 打ち上げが終わったのは9時半ごろで、外は雨だった。僕らは間抜けな事に傘を持ってきていなかった。エーテルワイズには機材車があってそれはギタリストのコネによるものらしかった。彼...
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リバーポートソング 第六話 僕たちは可能な限りその四文字を頭から追い出して生活していた。

【第五話はここから】 【あらすじと今までのお話一覧】 終わった瞬間に僕らは顔を見合わせた。「結構良かったよな」「うん、良かった。特に最後な」「けどギターソロ長すぎたな」というようなことを僕らは表情で語っていたと思う。客席の暖か...
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音楽連載小説 第五話「僕たちの出番は最初から2番目という、一番どうでもいいポジションだった」

第四話はここから 【あらすじと今までのお話一覧】 ライブは休日のお昼のイベントで、対バン形式で僕らの他に5バンドが参加することになっていた。持ち時間は1バンド30分位。MC含めて大体5、6曲できる計算だ。ということで今形になっ...
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リバーポートソング 第四話「僕たちにはドラムもベースもいなかったし、まだスタジオにすら入っていなかった。」

第三話はここから 【あらすじと今までのお話一覧】 高岸も僕が過ごしたような冴えない一週間を過ごしたと僕は思っていた。だから多少の不安はあったが僕はにこやかに彼と再会した。高岸は既に大学の門の入り口で待っていてCDウォークマンで...
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リバーポートソング 第三話 僕は出会ったその日から柳とバンドを組みたいと強く思っていたが中々言い出せないでいた。

【第二話はここから】 【あらすじと今までのお話一覧】 雪の日の出会いから僕は自然と柳のうちに遊びに行くようになった。僕は出会ったその日から柳とバンドを組みたいと強く思っていたが中々言い出せないでいた。 理由は2つある。実...
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リバーポートソング 第二話 ベランダに出るとそこに見えるのは一面の墓地だった。僕達はその墓地が好きだった。

【第一話はここから】 【あらすじと今までのお話一覧】  柳の部屋は2階の一番奥の角部屋だった。下には誰もすんでいなかった。隣は朝早く出て行って、夜遅くに帰ってくる、いるのかいないのかわからないぐらい静かに暮らしている社会人の男...
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音楽連載小説『リバーポートソング』第一話 W3は柳のバンドだった。少なくとも僕にとってはずっとそうだった。

W3(ワンダースリー)は手塚治虫の漫画から取った。スリーピースだったし、柳の本棚にあったから。けれど、人から聞かれたときはWinslow Homer、Winsor Mccay、William Shakespeare、三人の頭文字からとった...
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