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邦楽アルバムベスト100 ~90位から81位~

2019/10/26
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前回に引き続き当サイトの邦楽アルバムベスト100をお送りします。

今回は90位から81位までです。

10枚では判断できなかったでしょうが、こういうランキングなのか!って言うのがだんだんわかっていただけるかと思います。



90位 電気グルーヴ『A(エース)』1997年


電気グルーヴ最大のヒット曲である「Shangri-La」収録。

ジャンルは野球ディスコ笑。

「お馬鹿」と「真面目」とがいい塩梅で調合されたバランスのよいアルバム。

そういう意味で電気初心者にも聴きやすいアルバムでもあり、電気にしか作れないアルバムです。

この頃は「まりん」こと砂原良徳が参加してます。

メンバーの中では真面目そうな印象なので、この次の『VOXXX』で脱退したあと、無軌道におバカなアルバムが出来るのかと思っていましたが、『J-POP』は逆にかなり堅い作品でしたね。

  • 「猫夏」(CATY SUMMER)

石野卓球、砂原良徳の共作。シリアスなトラック。

リズムが入るところがカッコよくて何度も聴いてしまいます。オススメの一曲。

  • 「ポケット カウボーイ」(POCKET COWBOY)

ピエール瀧作詞、石野卓球作曲。

さくらももこ原作のアニメ『コジコジ』の主題歌にもなった曲。

電気らしいユーモアとポケットカウボーイの孤独と哀愁がミックスされ、ここでしか味わえないテイストがある。

  • 「SMOKY BUBBLES」

石野卓球作詞、石野卓球、砂原良徳作曲。

アンビエント的な落ち着いた楽曲。

らしくないといえばそうなのかもしれないが、凄く穏やかな気分になれる楽曲。

電気の音楽性の幅広さを示す一曲。

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89位 松任谷由実『NO SIDE』 1984年


寒い季節に重宝しそうな「冬」を感じるアルバム。

ストーリーテリングの巧みさと楽曲の良さ、バックを務めるミュージシャンの確かな演奏が光る作品です。

まぁユーミンの作品は皆そうだといえばそうですが…。

しかし、この時代がまといつつあった、ある種バブリーな雰囲気と、人生の軽やかさに、2019年との距離を感じますね。

もう違う国の物語の様に響く時がある。

僕はたまたま縁があってリアルタイムでも無かったのに聴いていますが、若い世代が共感できる内容とは思えないといったら大げさでしょうか。

  • 「ノーサイド -No Side-」


これを書いている2019年10月はラグビーワールドカップ日本開催で盛り上がっていますが、ラグビーの曲と言ったらこれしか出てきません。

試合が終わったら敵味方はないという「NO SIDE」という言葉もこの曲でしりました。

  • 「DOWNTOWN BOY」


いわゆる「不良」の男の子と「普通」の女の子のラブストーリー。

視点は女性側からのもの。優れたストーリーテリングが発揮される名曲ですね。

余韻のある終わり方もいい。

恋人たちには離れた後もそれぞれの人生が待っていることを強烈に感じさせる一曲。

  • 「午前4時の電話 -A 4am Phone Call-」


はじめて聴いたときはあまり印象にのこらなそうな曲ですが、好きです。

別れた恋人が午前四時に電話をよこすという内容なのですが、当時ならではじゃないでしょうか。

いまではスマホが主流なので、夜邪魔されたくなければ電源を落とすとかでいいとおもうんですよ。

あと連絡もLineとかできそうじゃないすか。「いまいい? 起きてる?」とか言って。

けど当時は固定の電話しかないから、否応なしに電話のベルで起こされちゃうわけです。

迷惑ですね。

そういった時代背景や、午前四時という時間設定を踏まえると、電話をかける方の心情が見えてきますね。

電話をかけるということが今よりカジュアルだった時代。

「一緒に暮らそう -Let’s Move In Together-」

プロポーズソング。多幸感あふれるスウィングナンバー。

さよならをいわなくてもいい方法→いっしょに暮らそう、というわけです(笑)。

話しは変わりますが、ユーミンの曲ってなぜか一人称の歌でもユーミンの顔が思い浮かばないんですよね。

もちろんユーミンの顔は認識しています(笑)。

彼女のパーソナルな歌というよりは、完全に役になりきったストーリーテリングだからでしょうね。

そこが中島みゆきとの違いでしょうね。

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88位 坂本龍一『千のナイフ』 1978年


渡辺香津美の最高に熱いギターソロが聴ける「Thousand Knives」「The End of Asia」という2曲の必殺の名演を収めたYMO前夜のソロデビュー作。

この2曲は後々YMOでも披露されるのですが、本アルバム収録のバージョンの方が断然よいと思います。

  • 「千のナイフ Thousand Knives」


最初の一分ぐらいは毛沢東が井崗山(せいこうざん)を訪れた時に詠んだという詩がヴォコーダーを通して朗読される。

そのせいもあるのかも知れませんが、琴などの音色や、使用している音階などから中国っぽい雰囲気がこの曲にはあります。

中国で、仙人がすんでいそうな切り立った細い山々が霧の中にたたずむ景色の中をボートで移動しながらこの曲を聴くのが夢ですね。

これはアジアっぽい、ごちゃごちゃした生活観のある町並みや市場で聴くと感動するので是非試して見てください。

聴き所は前述したように渡辺香津美の熱いギターソロ。

YMOのバージョンは原曲の持つ不穏な要素を活かした不気味さが光るダークな電子音楽になってます。

  • 「The End of Asia」


「千のナイフ Thousand Knives」と対になる名曲。

この曲でも「アジア感」は健在ですし、渡辺香津美のギターソロが圧巻です。

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87位 YMO (Yellow Magic Orchestra)『浮気なぼくら』 1983


優れた音楽家集団が全力でポップソングを作っちゃいましたな名作。

惜しむらくは「以心電信」が予告編的なショートバージョンでなく正規のバージョンで、「カオスパニック」が入っていたら…。

直撃世代は「ライディーン」とか初期のYMOの方をこのまれる傾向にありますが、僕は歌もの中心のポップな後期派です。

この頃のYMOでいきなりサビから入るパターンの曲が結構あって、最初にうわーって盛り上がる感じも好きだったりしますね。

YMOのポップソングって、割と精神的にまいっている時、疲れている時でも聴けるっていうか、逆に良いっていうのが不思議ですね。

完全に個人の主観ですが。

曲がある種の憂いを帯びてたり、制作側が当時病んでたことも関係してると思います。

89位で取り上げたユーミン(主に松任谷由美時代)のポップソングとはまた違うなと。

ユーミンは元々ベースでハッピーな人達が更に豊かな生活を求めて聴くための曲っぽいところもあるような気がしますね。

なので元気な時しか聴けない(笑)。

初期の荒井由美時代の曲はまた違ったりするのですが。

  • 「ONGAKU/音楽」


教授(坂本龍一)作詞作曲。

ソロも当然最高なのですが、ビートルズにいたときのジョージが好きみたいな感覚で僕はYMO在籍時の教授が好き。

特にYMO後期の作風が好きですね。

娘の坂本美雨のために書いた曲で、メンバーの三人が交互にボーカルをとったりする場面もあったり実にほほえましく、やわらかい楽曲です。

  • 「KAI-KOH/邂逅」


これも教授作詞作曲の曲で、メインの歌は高橋幸宏。

こちらも88位の『千のナイフ』でも言及したような、中国の大陸的な雰囲気で広がりのある楽曲で、そのエッセンスを上手くポップソングに落とし込んだような作品。

  • 「EXPECTING RIVERS/希望の河」


高橋幸宏作詞、高橋幸宏、坂本龍一作曲。ボーカルはユキヒロさん。

なんとなく糸井重里みたいな歌詞。

三人の中でボーカリストとして1番好きなのはやはりユキヒロさんですね。

タイトルに希望とあるように、かなり明るい雰囲気の曲調ですが、ブリッジの部分、「時々闇夜に漂う僕、手探りで流れてた僕ら」でダークな要素を入れてきます。

全部明るいんじゃなくて、こういう部分が楽曲にあるのがいいですね。

  • 「WILD AMBITIONS」


細野晴臣作詞、細野晴臣、坂本龍一作曲。YMOで唯一この二人きりで取り組んで共作した曲らしいです。

それもそのはず、教授と細野さん、当時二人はめちゃくちゃ仲が悪かったらしいですね。

最近は全然そんなこともなく結構競演しているので二人のファンとしてはうれしい限り。

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86位 マジカル・パワー・マコ『マジカル・パワー』 1974年


ドナルド・ダック、ケチャ、津軽三味線、…様々なコラージュ、音楽が渦巻く一大絵巻のようなデビューアルバム。

作曲家武満徹が絶賛した才能を是非。

人を食った様なジャケットもシンプルでかっこよい。

マジカル・パワー・マコは静岡県伊豆市の修善寺町出身。

僕も2、3回行ったことのある山村の観光地なんですが、温泉はもちろん、その名の通り寺あり、明治に建てられた古い教会ありでなかなか面白い環境です。

上京後の作品故に影響がどの位なのか、邪推しか出来ませんが、お越しの際は是非お手元にこのアルバムをば(笑)。

  • 「チャチャ」

インドネシアのバリ島の民族音楽、ケチャを取り入れた楽曲で、ケチャの合間に様々な音のコラージュが入るなかなかに前衛的な作品。

初めて聴いたときは衝撃でした。

85位 Mr. Children 『Kind of Love』1992年


2ndアルバム。前作がミニアルバムだったので、今作が初のフルアルバムでもあります。

まだ大ヒットを連発する前の初々しさがありますが、プロデューサーの小林武史の助けもあって、ソングライティングは既に完成されており捨て曲が無い名盤です。

ミスチルという文脈から完全に切り離してアルバムだけをただ単体で評価したらもっと上位な気が…例えば名も知られぬバンドがたった一枚だけ残したのがこれだったら…もっと正当な評価が得られて異なる層に愛されたのではと思わずにはいられないです。

そういう意味ではミスチル最高傑作。

ちょっと面白いのが曲中で描かれるストーリーは何処のアメリカの片田舎を舞台としていそうな雰囲気があるんですよね。

どことなく日本ぽくないというか。

これは非常に面白いと思うのでまた別の機会に詳しく述べてみたいです。

  • 「虹の彼方へ」


永遠の情熱と青春を感じるオープニングソング。 これは、ずっと聴いているけど今でも最初聴いた時のようなわくわくを感じる時がある名曲。

  • 「抱きしめたい」


このアルバムで一番有名な曲で、『1/42』というライブアルバムが出たときに、リバイバルヒットもしました。

プロポーズソングっぽい所もあり、結婚式のBGMとしても使えるのでは無いでしょうか。

優等生すぎて何となく認めたくないけど凄く良い曲です(笑)。

  • 「星になれたら」


JUN SKY WALKER(S)の寺岡呼人との共作。

本作のハイライトのひとつ。今の作風と比べると「若いな」って思いますね…。

すれた所もなく…。

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84位 水曜日のカンパネラ『私を鬼ヶ島に連れてって』2014年


じいちゃんMountain芝をCut! 婆ちゃんRiverでWash!

収録曲「桃太郎」がタワレコで流れてきたとき、衝撃を受けました…。なんじゃこりゃ…。

数少ない店頭で流れてるのを聴いて即購入パターンの1つ。

これなんですか?って聞くの恥ずかしかったですが、買って良かったです。

歴史上の偉人をキーワードにして展開していく世界も新鮮でした。

コムアイのラップとも歌とも取れる様な歌唱は、ちょっと舌足らずな感じもあり、普通のラップとかだったらアウトなのですが、それがかえって味になっていて魅力的なんですよね。

あとは歌詞の内容は駄洒落だったりするんですけど、音がシリアスだったり、言葉の音韻や響きやリズムのよさを重視しているので、コミックソング的な消費をされず、何回でも結構聴けてしまうんですよね。

  • 「千利休」


「桃太郎」と双璧をなす曲で基本的な歌詞のアイデアも一緒。

しかし、千利休の歴史的事実よりもお茶を軸にして現代的事象を絡めた歌詞になってます。

  • 「チャイコフスキー<Interlude-ラモス->」

「千利休」や「桃太郎」よりもチャイコフスキー要素は薄く、ロシア関係の事象や「スキー」からの連想が中心となる曲。

広瀬香美やJRの昔のPRの文言など、古い話題やキーワードが多いのも特徴。

「桃太郎」でもPCエンジンやメガドライブ、高橋名人などが登場する。

ラモスもそうですね…。

83位 かせきさいだぁ『かせきさいだぁ』1995年


デヴィッド・ホックニーみたいなジャケの中身は、梶井基次郎などの日本文学やはっぴいえんど界隈を中心とする音楽を下敷きにした極めて「邦楽的」なヒップホップ。

通常のヒップホップの文脈とはやっぱり違って韻音よりも、詩としての響きの方が優先されているので、ヒップホップ、ラップ好きからは、これはラップじゃないといわれそうではあります。

どちらかというと歌やポエトリー・リーディングに近いスタイルの曲もあります。

あとは前述したとおり引用もとが「洋楽」でなくて「邦楽」メインなんですね。

その点もかなり異質であり、象徴的かと。

共に露骨にはっぴいえんどを参照、意識したサニーデイ・サービスの『若者たち』も本作と同じく発表は1995年。

同時代というのは興味深いですね。

  • 「さいだぁぶるーす」


1曲目。自身の名の一部を冠した曲でもあり、かせきさいだぁの世界観が理解できる名刺がわりの一曲。

  • 「相合傘」


イントロは鈴木茂の「ウッドペッカー」のサンプリング、タイトルははっぴいえんどの曲名からでしょうか。

歌詞にも鈴木茂の曲の引用があります。聴いていただければわかるようにラップのようでいて全然韻を踏んでないんですね。

間奏部分では梶井基次郎の小説『城のある町にて』の一説を引用。

  • 「じゃっ夏なんで」


これ以上夏を感じさせる曲って中々無いと思います。

もう現実の夏よりだいぶ美しいですね。一年に5回は絶対聴きますね。

この曲に関してはこの記事で詳しく述べております。

絶対に聴いて欲しい一曲。

  • 「苦悩の人」


はっぴいえんどの「風をあつめて」をサンプリングした曲。

  • 「冬へと走り出そう」


代表曲。

打ち込みのドラムとギター、ベース、キーボードをフィーチャーしたちょっと他と毛色の違う曲。

スタイル・カウンシル (Shout to the top) と佐野元春 (Happy Man)の曲の歌詞を引用しています。

82位 Going Steady『さくらの唄』2001年


銀杏BOYZの前身であるGoing Steady(通称ゴイステ)の代表作。

安達哲のマンガからタイトルを拝借したセカンドかつラストアルバム。

99位で紹介したハイスタの『MAKING THE ROAD』と並んで直撃世代の青春を彩った重要な一枚だと思います。

1曲目から4曲目までの流れが特に素晴らしいです。

全体的な勢いは銀杏の方が上ですが、ロマンティックさが際立つゴイステ、本作の方が筆者は好みです。

  • 「アホンダラ行進曲」


銀杏まで行くとやっぱりやりすぎ感があるからこれぐらいが好き。

アルバムのオープニングとして理想的な曲。

だだっ広い一本道に風だけが吹いている感じが本当にする。

ゴイステの勢いのある感じは好きなんですが、この曲のイントロのように静かでロマンチックな部分の方が実は個人的にはツボだったり…。

  • 「銀河鉄道の夜」


ハイスタに「STAY GOLD」があるように、ゴイステにもこの曲があるんです。

童話的な詩世界と美しいメロディ、パンク的な勢いをマッチさせた名曲。

間奏部分でバッハの『主よ、人の望みの喜びよ』がかなでられます。

銀杏でもセルフカバーされていますね。

この曲だけでも是非聴いていただきたいです。

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81位 リブロ『胎動』1998年


ラップの自己賛美(セルフボースティング)や攻撃的な所(ディス)が苦手、かといって明るくパーティっぽく騒ぐラップも嫌だっていう人も聴けるヒップホップアルバム。

遣る瀬無い感情が言葉になっててスッとする1枚。

このアルバムはディスクユニオンで流れてたのを偶然聴いて即購入したので筆者としても思い出深い一枚。

  • 「胎動」

タイトルトラック。ラップはやはり語り手、ラッパー自身を主人公として、一人称的に語りが展開していくことが多いのですが、この曲はちょっと違います。

この曲を聴いているリスナー、「君」に語りかけるような、リスナーを代弁しているような、そんな内容なんですね。

なのでラップ初心者でも共感しやすい内容ではないでしょうか。

  • 「雨降りの月曜」

これも基本的には「胎動」と同じで、ラッパー自身が主人公というよりは、憂鬱な雨の月曜の心持ちを代弁したような曲。

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まとめ

以上、90位から81位まででした。

Hip Hop/ラップのアルバムがランクインしてきましたね。81位リブロの『胎動』、83位かせきさいだぁの1st、84位の『私を鬼ヶ島に連れてって』です。

まあ84位の水曜日のカンパネラを果たしてHip Hop/ラップと位置づけるか否かは議論の分かれる(むしろ否のほうが多い?)ところでしょうが、結構ラップアルバムが多くランクインしてくるランキングであることは予言しておきます。

80位から71位に続きます。

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