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邦楽アルバムベスト100 ~80位から71位~

2019/10/26
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前回に引き続き、邦楽アルバムベスト100です。

今回は80位から71位。

今回から少しずつこういったベスト100企画の常連アルバムがぽつぽつ出てきます。

ここから皆様が「安心」出来るような「名盤」がチラホラ出て来て「順位が低い」(または高い)と文句を言えるようになりますので、その際は苦情お待ちしております笑。



80位 BUMP OF CHICKEN 『THE LIVING DEAD 』2000年


「天体観測」で大ブレイクする前のインディーズ2枚目。

青臭いセンチメンタリズム、理想主義。彼らが大嫌いな人がいるのは良く分かりますが、その熱量が眩しいんですよね。

この頃のバンプのギターって結構装飾のない無骨な音なんです。

それがジャケットの白黒の感じとかにあってます。

今はディレイとかのエフェクター駆使して広がりを持たせる音像が好きというイメージですが、このバラエティ少ない音色で一枚聴かせるのは実は凄いことなのでは。

とにかく荒削りではありますが若々しく、語られるストーリーにあった演奏を聞かせてくれる感じです。

ですのでメジャーアルバム一発目の一曲目とか、お金かかってるから音がクリアになったのもそうなんですけど、ギターの音色とか、あ、変わったなって思いました。

それから最近の歌詞はこの2ndの頃と比べると、どんどん抽象的になって物語性が薄れていってる気がしますね。

  • 「ベストピクチャー」


好きだという人に会ったことは無いがバンプの中で一番好きな曲。

売れない絵描きが主人公でして、成功を手に入れるんだけど、成功したことで絵を描くことの楽しみをうしなってしまった…というまあ、描かれるストーリー自体はよくある物かも…。

が、バンドとしての一体感も感じるし、迫ってくる物がある曲。

彼ら自身が成功した今、このナンバーをどう思うのか、気になるところ。

  • 「グングニル」


のちに『ワンピース』の主題歌を彼らは歌うことになるんですが、これでも良かったんじゃないかと思う曲。

テーマは「周りにいくら嘲笑されようとも、信念をもって夢に向かっていく人間の美しさ」で、よくあるといえばよくあるのですが、話の運び方と表現の妙で説得力を持たせているのは流石。

よく出来たジャンプの漫画みたいなんですよね。

そこをどう評価するかが彼らの好き嫌いの分かれ目な気がします。

  • 「ランプ」


シングル曲で初期代表作。 基本的に彼らはギター半音下げ。

自分を奮い立たせてくれるこころの中の情熱、それをランプにたとえた曲。

こうやって要約してしまうと陳腐に響いてしまいますが、実際に聴くとメロディと詩によって説得力を持つという…。

  • 「K」


本作のもう一つの代表作。なぜタイトルがKなのか最後にわかる演出。

芸術家が苦労するストーリーがここでも。「ベストピクチャー」とは違う結末ですが…。

成功を目指して努力する姿が描かれる曲が多いです、そうしたテーマは今のバンプでは描かれているのでしょうか?

猫のうたとしても有名。

—————————–

あと隠しトラックがいいんですよね。

サブスクと再発盤にはないと思うので、コアなファンは中古で探してみては…。

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79位 YMO『サーヴィス』‎1983年


割とキャリアの中でも無視されがちなアルバム。しかし隠れた名曲が沢山入っている隠れた名盤です。

曲の合間に三宅裕司率いるS.E.T(スーパー・エキセントリック・シアター)のコントを収録…。しかし正直コントの方は一度聞けばそれでいいかなと…。

このアルバムと『浮気なぼくら』をまとめて一枚にして、曲を厳選していたら凄いポップアルバムが誕生してたとおもうんですよね…。同時期に発表されてた「Chaos Panic」が加わったらなお良しです。

そしたらTop10に入れていたかも知れないですね。

  • 「THE MADMEN」


教授(坂本龍一)が国宝級と称した細野さんのベースが堪能できる不穏な雰囲気を纏った名曲。

タイトル元ネタは諸星大二郎のマンガ『マッドメン』から。

マッドメンとはパプア・ニューギニアのアサロ族が先祖の霊を模した扮装をするんですけど、その際、全身に泥を塗って、仮面を被るんですね、その姿をMud Men(泥の男達)と呼ぶんだそうです。

故にこの曲の綴りも本当はMudmenが正しいです。誤植がそのままになってしまったんですね。

Mudmenの姿はThe Pop Groupのファーストのジャケットで確認できます。

  • 「Perspective」


この曲は死ぬまで聴き続けると思います。

シンプルな歌詞の行間から、生活や人生のなんたるかを優しく問いかけられているの様な心持になります。

教授の歌は他のメンバー2人に比べると見劣りしてしまうのですが、この曲は教授の歌でなくてはならない気がします。

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78位 ASIAN KUNG-FU GENERATION 『ファンクラブ』2006年


ギターとドラムのコンビネーションにひたすらコミットしたバンドとしての一体感をビンビン感じる最高傑作。

「リライト」は全然ピンとこなかったけどギターロックが好き、という人にすすめたい1枚です。

この作品についてはもうすでにこの記事で書きましたので、詳しくは記事を読んでいただければ。

記事にも書きましたがドラムが素晴らしいアルバムでもあります。ドラマーは是非チェックしてもらいたいですね。

  • 「ブルートレイン」

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77位 GAO『Roi Roi』1992年


子供の頃車でよく流れててなじみがある一枚。

正直このアルバムが他のこういったランキングで紹介されていることもないですし、そもそも世代じゃないのもあり、メディアなどで紹介されているところも見たことないです。

確かに1992年特有のサウンドといいますか、古さは感じるものの、2010年代には結構耳なじみのある透明感を重視したようなサウンドプロダクションは今でも聴けるのでは無いでしょうか。それになんといっても良い曲が沢山入っていて捨て曲がない良いアルバムだと思います。

選出に個人的な理由はもちろんありますけど、極力客観的に評価してこの順位にしたつもり笑。

  • 「サヨナラ」


一番のヒット曲。今聴くとモロ、ポリスの「見つめていたい」からの影響を感じますが、名曲。 古いと思うけどめちゃ好きでいまでもたまに聴きます。

  • 「だれかひとりくらい」


こんな感じの曲が入ってます。 某中古チェーンで非常に安価で売られていることが多いので見つけたらレスキューして下さい。

けどそれだけ売れてたってことですからね。



76位 七尾旅人『billion voices』 2010年


70年代のフォークミュージックが様々な要素、現代的テーマを飲み込んでアップデートされたような21世紀のフォークミュージック。激しさと優しさが同時に存在して感情を揺さぶってくるようなアルバムですね。

七尾旅人の魅力、個性とは一体なんでしょう?

それは、歌を必ず何処かで「はみ出させ」たり「破綻」させたりすることだとおもいます。

それは「過剰さ」によるものだったり「組み合わせの妙」だったり。

使い古されたイメージや言葉、ジャンル定義的なフレーズも組み合わせや強弱でにより「異化作用」を起こせる。

七尾さんの楽曲には必ず何かしらの心地よい異物があるんですよね。

そして、その中心にはフォークソング的なグッドメロディを伴った歌があるから、前衛と同時に親しみやすさもあるんです。

  • 「I Wanna Be A Rock Star」


妻子持ちのサラリーマンが会社に辞表をロックスターを夢見るという、フィクションならコテコテ、現実なら(大抵は)悲劇のストーリーで全く共感を得にくいですが、この曲はどちらにも着地させずにファンタジーにして、「あり」だと思わせてしまう。また、どこまでが現実かも曖昧な曲。

よくあるロックンロールの気持ちいいが、ダサい決まり文句、定型文を、過剰なパフォーマンスで、静かなアコースティックギターの反復フレーズ上という場違いな場所に放り込んできます。

これが、この楽曲の気持ちのいい異物感に貢献している。

で、最後は本当にロックスターにならせて〆る。やりたい放題ですね笑。

  • 「シャッター商店街のマイルスデイビス」


これもこのアルバムのハイライト曲。

ギターフレーズのループをベースにピアノフレーズが断片的に絡んでいく。そんなトラック上に語りともポエトリーリーディングともいえる歌がトランペットの擬音などを交って盛り上がっていく展開が実にスリリングで、じっと聴き入ってしまいます。

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75位 Mr.Children『Q』 2000年


個人的にはミスチル最高傑作。ミスチルのなかでは一番実験的な要素と遊び心を感じるアルバムで、それと桜井和寿のソングライティングの技量が上手くブレンドされた名盤。

しかしその実験精神が一般的には不評だったのかセールス的には奮いませんでした…。

このアルバムもすでに当サイトのこの記事にて詳しく解説されていますので、詳しく知りたいかたはこちらをどうぞ。

  • 「友とコーヒーと嘘と胃袋」


吉田拓郎を研究して作られた曲。 ループ的なドラミングにのっかって吉田拓郎が得意とするような言葉数の多い歌が繰り広げられ、妙な高揚感があり最高。 この路線を突き詰めて欲しかった気もします。 今より歌詞も冴えていますし…。

  • 「口笛」


当然のようにヒットした名曲。当たり前の日常のなかでふと幸せを発見してこころ震える瞬間を捕らえることに成功した稀有な名曲。

74位 暗黒大陸じゃがたら『南蛮渡来』 1982年


ファンクビートの上をスルドイ言葉が縦横無尽に駆け巡るその様が実にスリリングなデビューアルバム。このアルバムの後はJAGATARA(じゃがたら)として活動をしていきます。

音や言葉が精査された2枚目以降の方が正直完成度は高いです。しかし衝撃度は本作が1番。ファンク的要素よりもパンク的な攻撃性の方がめだつ作品ですね。

こうしたアルバムランキングベスト100ではランクインすれば必ず上位という名盤。らしい一枚が出てきたというところでしょうか。

  • 「でも・デモ・Demo」

ラジオで初めて聴いたのですが、流れてきた瞬間からびびっときました。いきなり「あんた気に食わない」って一言で始まってファンクビートに乗っかってコーラスが「暗いね暗いね、性格が暗いね、暗いね暗いね、日本人で暗いね」

衝撃的でした。

「ああ日本人って暗いな」時々って思うのはこの曲のせいもあるのかも。 とんがったギターソロも相当かっこよく、当時は一番好きなギターソロでした。

  • 「クニナマシェ」

アルバムのラストにして圧巻の一曲。もてる要素を全部釜のなかに放り込んでぐつぐつ煮た様な濃厚なファンクナンバー。

「人類ミナ兄弟」「ヤラセロセーロセーロセーロ」 ってコーラスが繰り返される中、江戸アケミが煽動的なボーカルを繰り広げ、そこに子どもの神々しいような不気味なような合唱がはいるというなんともカオスな一大絵巻。

この2曲がやっぱり双璧で、それに比べるとやっぱり他の曲は弱く、前述したように2nd以降の方が曲の粒は揃っています。そういうトータルのバランスで順位が下位になってしまった感じです。

*現在CDは入手困難、ストリーミングサービスでも解禁されていませんが、iTunesで音源は購入可能のようです(2019年10月現在)。

73位 RIP SLYME 『Talkin’ Cheap』1998年


メジャーデビュー前のインディーズアルバム。SUはまたメンバーでは無く客員として参加しています。

音質は正直良くは無いんですけどそれがかえって味になっているし、彼らの元気の良さとラップの心地よさがあり、メジャーデビュー後の整理された音とは違うある種のマジックがあるアルバム

全体的に、この頃のリップはモラトリアムというかのんびりした牧歌的な雰囲気がながれていますね。楽しさもあるんだけどメジャー時のパーティーの喧騒みたいな感じもあんまりなく、親近感が持てる。

というか90年代日本語ラップのインディー感のある空気とか雰囲気を自分は好んでます。メジャーなっていったアーティストがどんどん音がよくなってくるんだけど、それにつれて気持ちは離れていってしまうという…。

  • 「Cheap Talk」

やっぱり上手いしカッコよくないすか? シンプルで印象的なトラックもGood。ハイハットとスネアの音が気持ちいいですね。

  • 「白日」

メジャーデビュー後に再録されたはず。名曲。

何もかもが真っ白
今日は何もしなくてもいいよ
くだらないつまらない日々がまた くる前に

  • 「Fade Away」


うん、これもカッコいい。 メジャーデビュー後のきっちりとしたサウンドプロダクションじゃないけど、それがかえって心地よい。

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72位 YMO『テクノデリック』 1981年


様々な音楽ジャンルを取り込んで料理し、前作での実験を更に推し進めつつポップに消化した名作。特に 「体操」と「Gradated Gray」という二大名曲は必聴。サンプラーを本格的に導入したアルバムとしても有名。

  • 「体操」(TAISO)


どの方向からせめてもカッコいい曲。 八分音符で刻まれるベースドラムは勿論、ベースがめちゃくちゃクールです。ミニマルなピアノもふざけきった歌詞も全てが最高です。YMOで2番目に好きな曲ですね、

  • 「灯」(LIGHT IN DARKNESS)


79位で紹介した「Madmen」と合わせて、ベーシストは100回聴くべし。

  • 「灰色の段階」(GRADATED GREY)


YMOで一番、いや細野さんのキャリアのなかで一番好きといっても過言ではない曲。

スローなテンポのファンクで、色んな曲をこのリズムでカバーすれば結構素晴らしいものが出来上がるのではないかと…。

YMO中期の「CUE」にも似た抽象的で示唆的な歌詞も良い。

  • 「京城音楽」(SEOUL MUSIC)


タイトルはもちろんSoul Musicと韓国のソウルをかけている。この曲をソウルで聴いたけど思ったより感動は薄かった。けど言いたいことはすごくよくわかりました。

余談ですがソウルはモダンと伝統がいい感じに混ざり合ったとても魅力的な都市でしたね。

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71位 『高田渡・五つの赤い風船』 1969年


A面が高田渡のライブでB面が五つの赤い風船のスタジオ盤という変則的なアルバム。しかし、この順位と評価はほぼB面に向けられているとおもってください。

五つの赤い風船の、眩しすぎて愚かしく感じられる程の理想主義が、現代日本ではやけに心にしみてくる。

  • 「もしもボクの背中に羽根が生えてたら 」

もしもボクの背中に羽根が生えてたら
ボクはお空のお星様をひろい集めて
かわいいお前に 首かざりを作るんヨ!!
もしもボクの背中に羽根が生えてたら
白いかわいいハトの様に
黒い小さなこの町を出て大きな空をとび廻るヨ!!

この曲はセカオワのファンに聴いてほしい。ほぼ一緒じゃないだろうか(笑)。

双方のファンにボコボコにされそうですが、この理想主義的な所とか、童話的なテイストに類似点があると思うんです。

音楽的にはギターと歌が基本の全うなフォークソングなんですけど、木琴が間奏部分にテーマの様に入っていて、いいアクセントになっています。

  • 「遠い世界に」


音楽の教科書にも載っていて、聴いたことはないが合唱の曲としても愛されている名曲。 こんなの中学生の合唱で聴いたら自分の子供じゃなくても泣くと思います。

オートハープという楽器がアコースティックギターのストロークみたいな使われていて、それとフォークソングの組み合わせがなんとも面白い。

「もしもボクの~」でも木琴がつかわれていた様に、こういうプラスアルファで違う楽器を持ってきてアクセントを加えるのが上手ですね。オートハープがあるのとないのではこの曲の音楽的な耐久性、飽きにくさって全然ちがうなと思うんですよ。

歌詞ですが、背景には学生運動とか政治的なものがあったんでしょうが、そういうものを超えた普遍的な理想主義が描かれててそこがぐっときてしまうんでしょうね。そのような背景をはっきりと描かずに普遍化して、におわせる程度に留めたのも、この曲がスタンダードとして残り続けた所以だと思います。

ここで描かれる理想主義ってやっぱり冷笑の対象になることは不可避だとおもうのですが、それでも堂々とやっちゃうとこなんかやっぱりセカオワっぽいんじゃないでしょうか(無理やり)。

———————————————-

対して高田渡のほうはライブ盤。 しかしまだまだタカダワタル的ではないというか、 未完成な感じがありますね。ことばの鋭さとか。

  • 「現代的だわね」


現代的で無いものを並べて、「現代的だわね」をオチに持っていく、コミックソングみたいな曲。といってもあからさまに笑わせるのを目的にしたものではなく、皮肉が効いている。

  • 「自衛隊に入ろう」


自衛隊の意味も色々と変節を遂げ、残念ながら賞味期限が過ぎてしまった曲かと。とはいえ一つ一つのフレーズを当時の時代背景と重ねて解釈してみたり、現在の状況と比べてみると中々面白い曲。

高田さんはもちろん皮肉で「自衛隊に入ろう」といっているんですが、当時はコレを聴いて自衛隊に入って人や、実際に防衛庁からオフィシャルソングにという申し出があったとかなかったとか…。

まとめ

YMOが2枚入ってますね。これで87位の『浮気なぼくら』と合わせてすでにYMOは三枚でました。

今回のランキングのルールでは1アーティストにつき、アルバム3枚までですから、これ以上YMOのアルバムはでてこないことになります…。

そう、日本のロックアルバムベスト100で常連の『ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー』は当ランキングではランクインしていません…。そのいいわけは後ほど別の記事であらためて取り上げたいと思います。

74位の『南蛮渡来』は、こうしたランキングでは入れるなら上位、というアルバムですが、このような下位になってました。

じゃがたらの他のアルバムを入れようとか、色々葛藤はあったんですけど、『南蛮渡来』ははずせない、しかしアルバムのトータルのバランスとして弱い…そういうわけでこの順位になりました。

70位から61位に続きます。

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